2008年10月31日

歴代007主題歌人気投票

Gigwiseによる歴代007主題歌人気投票において、めでたくduran duranのa view to a killが1位となった。

duran duranのオフィシャルサイトでも投票を呼びかけていたので、いわゆる組織票のおかげであることも否めないが、それはそのまま根強いファンの存在も意味しているわけだから、いずれにしても悪い話ではない。


22. Rita Coolidge: ‘All Time High’ (Octopussy, 1983)
21. Lulu: ‘The Man With The Golden Gun’ (The Man With The Golden Gun, 1974)
20. Sheryl Crow: ‘Tomorrow Never Dies’ (Tomorrow Never Dies, 1997)
19. A-Ha: ‘The Living Daylights’ (The Living Daylights, 1987)
18. Sheena Easton: ‘For Your Eyes Only’ (For Your Eyes Only, 1981)
17. Garbage: ‘The World Is Not Enough’ (The World Is Not Enough, 1999)
16. Byron Lee & The Dragonaires: ‘Kingston Calypso’ (Dr. No, 1962)
15. Chris Cornell: ‘You Know My Name’ (Casino Royale, 2006)
14. Madonna: ‘Die Another Day’ (Die Another Day, 2002)
13. Gladys Knight: ‘Licence To Kill’ (Licence To Kill, 1989)
12. Tom Jones: ‘Thunderball’ (Thunderball, 1965)
11. Shirley Bassey: ‘Moonraker’ (Moonraker, 1979)
10. Jack White & Alicia Keys: ‘Another Way To Die’ (Quantum Of Solace, 2008)
9. Tina Turner: ‘GoldenEye’ (GoldenEye, 1995)
8. Louis Armstrong: ‘We Have All The Time In The World’ (On Her Majesty’s Secret Service, 1969)
7. Matt Monro: ‘From Russia With Love’ (From Russia With Love, 1963)
6. Nancy Sinatra: ‘You Only Live Twice’ (You Only Live Twice, 1967)
5. Shirley Bassey: ‘Diamonds Are Forever’ (Diamonds Are Forever, 1971)
4. Carly Simon: ‘Nobody Does It Better’ (The Spy Who Loved Me, 1977)
3. Paul McCartney & Wings: ‘Live And Let Die’ (Live And Let Die, 1973)
2. Shirley Bassey: ‘Goldfinger’ (Goldfinger, 1964)
1. Duran Duran: ‘A View To A Kill’ (A View To A Kill, 1985)


全体の結果を見ても、80年代以降の曲で10位以内に入ったのは、duran duranと9位のtina turner、そして最新作を担当したjack white & alicia keysのみ。
これは、少なくとも007の主題歌がポップ路線へと転換した80年代以降(つまりduran duran以降)、a view to a killを超える曲が生まれていないということでもあると思う。


a view to a killが、007主題歌として唯一の全米NO.1曲だとしても、古くからの007ファンの中には、shirley basseyやpaul maccartney、nancy sinatraを差し置いてduran duranが1位という結果に納得できないという人もいるかもしれないが、それはどちらかといえば、年代を区切らずに行われたこの調査に付随する問題である。
例えば60年代から70年代まで、そして80年代から現在までという風に分割してみれば、この結果に異論を挟む人はそういないだろう。


個人的には、another way to dieの10位のほうが意外な感じがする。曲としては刺激的で面白いのだが、007の主題歌としては、落ち着かないような、据わりが良くないような違和感がなかなか無くならない。最新作としての話題性があるとしても、10位というのは大健闘ではないだろうか。


「ジャック・ホワイト「007のテーマ・ソングにプレッシャー」2008-10-31 BARKS
http://www.barks.jp/news/?id=1000044535

「エイミー・ワインハウス、ビヨンセ、ダフィーなどさまざまなアーティストが候補に挙がった中、射止めた座。ホワイトはプレッシャーを感じていたという。彼はBBCにこう話している。『ものすごいプレッシャーだったよ。30年も40年も続いてきた、パワフルで感動的で名曲となる(テーマ)曲の流れに続けっていうんだからな。パワフルって以外、どんな方向に進んだらいいのかわからなかった』

ホワイトとキーズのコラボは“パワフル”がキーポイントだったようだ。『パワフルっていうのだけを追い求めた。自分が観客の1人だとしたら、ノックダウンされるほど強力なやつだ』

その結果、自作の曲と映画のコンビネーションに満足しているそうだ。『うまく(映画に)適応してる。(映画のためだけに)あのトラックを作ったんだ。ビデオのためでもなければ、ラジオで流すためでもない。このためだけに作ったんだから、そこ(映画)で1番かっこよく聴こえるのは当然だ。満足してるよ』」


映画に適応しているかどうかについては、実際に映画を観てみないことには何とも言えないのだが、jack whiteの言うパワフルな感覚が曲から十分に伝わってくるように、彼の感じたプレッシャーと生みの苦しみも、そのサウンドに如実に反映されているように感じられる。007の主題歌というよりも、「007主題歌の生みの苦しみを体現した曲」という気がしてならない。
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2008年10月30日

「着うた」と「着うた職人」

最近の日本の音楽シーンの傾向。

(1)ヒップホップ系のミディアムなビートにのせて、半径1メートル程度の恋愛と友情について歌う曲。メッセージは「惚れたのはれたの、頑張れ負けるな、夢は必ず叶う」あたりに要約される。親しみやすさを狙うためか、歌も巧く歌うのではなく話すように歌うことを心がけているようである。

(2)いわゆるJ-POPの過去の曲に、ほんのちょっと違う節を乗せたり、ラップを絡めたりしたもの。本当にその曲が好きならば余計な手出しは出来ないはずなのだが、それでも「リスペクト」などと呼ばれるらしい。その「リスペクト」されるアーティストは、「リスペクト」されるのだから悪い気もしないだろうし、話題にも金にもなるから、無理に断る必要もないのかもしれないが、その曲のことを愛しているファンにしてみれば、名画に落書きされるようなものかもしれない。

(3)コラボ。何でもかんでも「フィーチャリング」でくっつけて、名前を長くしておけば間違いないというノリ。一緒にやる必然性があるものは少なく、中には明らかにレコード会社主導のものも見受けられる。レコード会社の垣根など、販売戦略の前にはあっさりと取り払われてしまうらしい。

(4)愚直ロック。ストレートな詩をストレートに歌うロック。ちなみに詩の内容は、言葉遣いがロック的になるだけで、言わんとするところは(1)とほとんど変わらない。アニメ主題歌や歌謡曲などをパンク・ロックアレンジで聞かせる曲もこの類である。

(5)アコギを抱いた2人組。さすがに減少傾向にはあるものの、やはりその手軽さのためかアコギを抱いてハモリたがる人は後を絶たないようである。

(6)超軽量R&B及び似非ソウルバラード。ふつう洗練されたR&Bなどは「ライトタッチ」などと表現するが、「ライトタッチ」どころではない軽さなので「超軽量R&B」。「似非ソウルバラード」の「似非」は「ソウルバラード」ではなく「ソウル」にかかっている。


アーティストたるもの、己の強烈な個性を作品にぶつけ、人と違ってナンボというものだと思っていたが、最近の日本の音楽シーンではそうでもないようである。

ベルトコンベアー上を流れてきて、そのままコンビニのおにぎりのごとく整然と並んでいるような印象すら受ける。


同じようなタイプの商品が同時発生的に各メーカーから発売されたり、医療を扱うテレビドラマが時を同じくして各局で放送されるのは、もちろん偶然ということではなく、それぞれの会社ごとに市場調査を行い、その結果を反映しているからに違いない。

見た傍から忘れ去られてしまうテレビドラマや、とりあえずの空腹を満たすためのコンビニのおにぎりのように、消費されてしまう音楽を音楽と呼べるのか、そういう音楽を作る人をアーティストとかミュージシャンと呼んでいいのか。

そんな露骨な商業主義に走った音楽には、「音楽」や「アーティスト」とは別の何か新しい呼び方が必要なのではないだろうか。

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2008年10月29日

BGMは「ウェスト・アンド・ガールズ」?

かつて、テレビの情報番組でpet shop boysのwest end girlsがBGMとして使用され、その曲名が「WEST AND GIRLS(ウェスト・アンド・ガールズ)」と表示されているのを見たことがある。残念ながら、僕の住む田舎のテレビ局の番組だった。

west and girlsでは、オリジナルより壮大な物語という感じもするし、逆に随分ざっくりしたテーマだなぁという感じもする。まぁ、いずれにしてもありそうな間違いではある。


そんな他人の失敗を20年以上経っても忘れずに、思い出し笑いをしてしまう僕にしたって、frankie goes to hollywoodの2ndアルバムを、リリースされてからしばらくの間は「リヴァープル」と勘違いしていたのである。
正しくは「リヴァプール(liverpool)」。これは、むしろ「ウェスト・アンド・ガールズ」以上に恥ずかしい間違いだ。

しかし、このあり得ない間違いには僕なりの理由もあった。
culture clubとduran duranから音楽を聴くようになったので、もちろんthe beatlesのことは知らず、さらに純粋に地名としてのliverpoolも知らない無知なところに加え、やっと「オート・リバース(リヴァース)」とか「リバーシブル」なんていう言葉になれた頃だったために、自然と「リヴァース」と「リバーシブル」に、語感が引っ張られてしまったのである。
ある日、ミュージックライフのliverpoolの広告ページを何気なく見ていて、「ー」が「ヴァ」の後ろではなく「プ」の後ろにあると気がついた時は、かなり驚いた。「リヴァプール」が言い難かった。


さすがに、madonnaのlike a virginのlikeを「好き」だと勘違いしてニヤニヤする前には、「『好き』だとすると、男目線の大分露骨で過激な歌になるなぁ」という疑問がよぎり、比較的早く「〜のように」に辿りついたのだが、into the grooveについては、「グルーヴ」なのか「グループ」なのか結構悩んだ。「イントゥ・ザ・グループ」では「人付き合いの難しさ」とか「いじめ」とか深刻な歌になってしまう。

恥ずかしい間違いには違いないが、田舎の坊主頭の中学生の天然によるものと思えば微笑ましい間違いでもある。


ただ、インターネットも普及したこの情報社会にあって、いまだにreflexとrelaxを混同するというのはいただけない。天然も行き過ぎると笑えない。

試験の前日に「ここ必ず出るぞ」と教師がいったのに、その問題を間違えてしまうとか、「知らない口座にお金を振り込んではいけません」と散々注意されていながら、振り込んでしまうようなものである。


それに本当に好きなら、どんなに複雑で長い名前でも覚えるものだ。

例えば、the troubadoursを間違いなく綴れるとか、the policeのzenyattà mondattaを「銭やったもんだった」で暗記するとか、orchestral manoeuvres in the darkやcarter the unstoppable sex machineを何度も口に出して言いたくなるとか...、そういうことも楽しかったりするはずである。たぶん。
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2008年10月28日

duran duranちょっといい話

自分の誕生日さえうっかり素通りしがちなので、好きなアーティストの誕生日を意識するということもほとんどない。オフィシャルサイトなどで、そういう記事を見かけて初めて気がつくというのが普通である。


duran duranのオフィシャルサイトに、10月27日のsimonの誕生日に関するこんなニュースがあった。


Happy Birthday Simon October 26th, 2008

For Simon's 50th birthday, John, Nick and Roger gave him an unusual present. Inside the giant silver DJ box were 50 albums, one released in each of the years since Simon's birth. The three of them argued long and hard about which choice was appropriate for each year, and of course, many years had several great albums known to be favourites of Simon's, which made the task even harder. Over a period of several months they gathered the collection from far and wide, and although most were found in the US and the UK, the Cocteau Twins “Blue Bell Knoll” and Kraftwerk's “Man Machine” were found by Nick and John on a shopping spree in Rimini, Italy!

When the gift was finally presented to Simon, he was actually visibly taken aback. The choices ranged from Elvis to Nick Cave and the Bad Seeds, from David Bowie to Dr. Dre, but admittedly there is one Duran Duran album - they included “Rio” for the year 1982.


simonの50年の人生とともにあった50枚のレコードというプレゼント自体も素晴らしいし(できればその50枚のタイトルだけでも知りたい)、「simonはこれが好きだ」とか「でもこれは外せない」などとjohn/nick/rogerが選ぶ過程も楽しかっただろうと思う。
もらう方はもちろん贈る方にとっても、音楽好きにはたまらないプレゼントである。

何より、彼らが30年のベテランになっても音楽好きとしての気持ちを失っておらず、「やはりduran duranは音楽で結びついているのだ」ということを実感できるのが、ファンとしてはとても嬉しい。


11月から南米・北米ツアーが始まるというニュースについては、正直「何を今さら」という感じもなかったわけではないが、こうしてちょっといい話を耳にすると、バンドの状態も悪くないようで、オフィシャルサイトも最近になってリニューアルされているし、いま一度の奮起を期待してみたくなる。


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2008年10月26日

robbie williams不足

007主題歌でそのほかになじみ深い曲といえば、nancy sinatraのyou only live twice(邦題「007は二度死ぬ」。

といっても、もちろん'67年の作品なので、この曲自体を良く聴いたというわけではなく、この曲が使われているrobbie williamsのmillennium経由で、その優雅でゴージャスなストリングスに慣れ親しんでいるということである。


millenniumは、'98年のandアルバムi've been expecting youからの1stシングルであり、robbie williamsにとって、ソロとして初の全英NO.1を獲得した曲。

millenniumのPVと、i've been expecting youのジャケットにも、007のイメージが取り入れられているのだが、たしかdaniel craigが新しいボンド役に決定する以前には、候補のひとりとしてrobbie williamsの名前も挙がっていたように記憶している。

一風変わったjames bondも見てみたいところだが、それよりもrobbieには是非とも主題歌を担当してもらいたい。

shirley basseyやnancy sinatra風のクラシカルな映画音楽スタイルでムードたっぷりに歌い上げても、a view to a kill以降のポップ路線でも見事にはまるのだから、robbie williams以上の適任者はいないはずである。


そのrobbie williamsが相変わらず音沙汰無しの一方で、take thatは早くも復活後2枚目となるアルバムcircusをリリースするらしい。

そうなると必ずrobbieが引き合いに出され、「最近はパッとしない」とか「落ち目」だとかいう話になるのが、ファンとしては辛く、腹立たしい。

前作rudeboxからまだ2年しか経っていないということを考えれば、もうちょっと休んでいてもいいような気もするのだが、rudeboxまでの超ハイペースに慣れてしまったせいか、特に最近になって「robbie williams不足」を実感するようになってきたのも事実である。

そろそろ、その分ほかのアーティストを聴くという対処療法も効かなくなってきており、間もなくrobbie williams禁断症状を発症するものと思われる。

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2008年10月25日

another way to 007

CMなどでanother way to dieを耳にする機会も増えてきたが、やはりまだ違和感がある。映像との相乗効果で盛り上がるというより、曲が浮いているように感じられる。

ただ、それは007のイメージにも負けない強烈な曲であることも意味しているわけで、それだけ007主題歌史上斬新なサウンドということでもある。

新しい試みには、こんな風に自らの狭量な見識によって「違和感がある」とか「イメージと違う」などと口を挿みたがる輩が付き物なのだ。


007主題歌として唯一の全米NO.1曲である、duran duranのa view to a killも、おそらく当時は賛否両論だったのではないだろうか。 映画音楽然としたそれまでの曲と比較するまでもなくポップでダンサブルな異色曲だった。

特にアメリカでは人気絶頂の頃だったし、僕も大ファンのひとりとして、幸いなことに目立った悪口を聞いた覚えはないのだが、duran duranをルックスだけのアイドル・バンドと決め付けていたような人達や、007マニアからは「アイドルの出る幕ではない」とか「ポップすぎる」などという否定的な声も聞かれたはずである。

そんな状況において、duran duranらしくポップでダンサブルでありながら、映画のイメージにも見事に合致した曲を生み出し、それまで誰もなし得なかった全米NO.1を獲得してしまったというのは凄いことだと思う。


一方で、その後the living daylightsの主題歌を担当したa-haは、同じポップ・フィールドのバンドとして非常にやり難かったと思う。

a-haが007の次回作の主題歌を担当すると知った時、高校生の頭でいくら考えても、ポップでダンサブルな007の主題歌は、a view to a killにしかなり得なかった。
duran duranがやりつくした後では、無難にバラードで逃げるしかないように思われず、勝手にa-haのことを気の毒に思ったりもした。

逃げずに敢えて同じ路線で勝負してきたのは偉かったし、train of thought/i've been losing you/cry wolf、そして後のthe blood that moves the bodyなどに通じる凛々しく、スリリングなメロディも悪くないのだが、焦点の定まらないサウンドに難があった。
a-haらしくもしなければならないし、映画音楽的にもしなければならないし、そして a view to a killにかぶってはならないし...、まるでそんな苦悶がそのまま現れたかのような、まとまりに欠けるアレンジだった。

最初に聴いた時の印象は「なんかガチャガチャした曲だなぁ」という感じだった(その背景には、a-haとjohn barryの対立があったらしい)。後に3rdアルバムstay on these roadsに収録されたバージョンのほうが、すっきりとまとまったa-haらしいアレンジだっただけにちょっと勿体なかった。それでもduran duranのa view to a killを凌ぐほどではなかったと思う。


つまり、007の主題歌においては、楽曲のムードも限定されるし、過去の作品と違うアプローチも難しくなっているために、新しいタイプの曲もヒットも生まれにくいのである。

現にサウンドトラックから多くのヒットが生まれるようになった80年代以降も、a view to a kill以外、007の主題歌からはこれといった大ヒットが生まれていない。個人的にも、どれも大して代わり映えしないという印象がある。


だから、ここへ来て違和感すら抱かせるアクの強いanother way to dieという曲には、同時に007主題歌として、新しい歴史を作り得るパワーも感じられるのである。
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2008年10月24日

トミーガン、ヴァイオリン、そして赤ん坊

morrissey-soloに、ニューアルバムyears of refusalのジャケットとして使用されるらしい写真が掲載されている。

赤ん坊を小脇に抱いた素敵な写真。赤ん坊もとてもいい顔をしている。


もし、本当にこの写真が来年2月発売予定のyears of refusalのジャケットとして使用されることになれば、2004年の現場復帰以降の3作品全てのジャケットに映るmorrisseyは必ず何かを手にしているということになる。

you are the quarryではトミーガン、ringleader of the tormentorsではヴァイオリン、そしてyears of refusalでは赤ん坊。

銃を繁々と見つめ、ヴァイオリンを演奏する、そんな熱心な様子と比べて、赤ん坊を何気なくヒョイと抱えている感じがいかにもmorrisseyらしい。


'97年のmaladjusted以前のジャケットが、本人が登場しないsouthpaw grammerとマイクを手にしたyour arsenal以外は全て顔のアップ及び丸腰(?)だったことからすると、復帰後3作におけるこの傾向には何か意味があるのかもしれない、とファンなら深読みしたくなるところである。


特に今回は物ではなく生きた赤ん坊なわけで、ジャケットにmorrisseyと他の人間が並んで納まっている例はシングルthe boy racerくらいのもの。しかも今回は、赤ん坊だから当然と言えば当然だが、そのthe boy racerでの少年とのよそよそしさからは信じられないほどの密着度だ。

そこにどんな意味があるのか、または単なる気まぐれかなのか、それは少なくとも来年の2月を待たなくてはならないが、インタビューでmorrisseyがいつもの調子で「この子は僕の子だよ」などと言うことは、ほぼ間違いないと思う。



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2008年10月23日

another way to die/jack white & alicia keys

jack whiteとalicia keysという顔ぶれから、当然刺激的な内容になるとは思っていたが、その予想をはるかに超えた仕上がりとなった、007最新作「007/QUANTUM OF SOLACE:慰めの報酬」の主題歌another way to die。

それは、jack whiteとalicia keysというふたつの才能のせめぎ合いというよりも、生々しくささくれ立ったjack whiteスタイルとゴージャスなストリングスとファンキーなブラスで表現された007の世界観が正面衝突して、それでも足りずにお互いにギリギリと押し合っているかのようなイメージである。


つまりjack white的でもあり、また007的でもあるわけだが、どちらも強烈なイメージだけに、うまい具合にブレンドされるなどということはなく、アグレッシブなリズムと目まぐるしく展開する落ち着きの無い構成のごとく、混沌としていて、スリリングで刺激に満ちた内容になっている。

そんな中にあって、どうしてもalicia keysの印象は薄くなってしまっているのだが、油断するとjack white一色になりそうなところを、彼女の正統派のボーカルが007的世界観を補強することにより、何とか全体としてのバランスが保たれているともいえる。


過去にも、組曲のような構成を持つlive and let die(paul mccartney & wings) や、まさに007的世界観と自らのスタイルの間をフラフラと彷徨うかのような内容になってしまったliving daylights(a-ha)など、007と自らの音楽性の折り合いをつけるための苦慮が窺えるような曲があったが、混沌としてどこか歪な印象さえ受けるこのanother way to dieという曲は、そんな007の歴史の中にあってもかなり異色な存在だと思う。


そもそも007のように歴史のある作品では、サウンド面を含め、そのイメージも例えば「シック、ゴージャス、スリリング、セクシー」などと限定されているのだから、自ずと楽曲のタイプやサウンドの選択肢も限られる。
そのうえ、その限られた選択肢の中で、これまで錚々たるアーティストたちが素晴らしい主題歌を生み出してきているのだから、さらに選択の幅は狭まる。

当たり障りの無い、口当たりのいいバラードでも作ってお茶を濁すというわけにはいかないのだ。

日本でいえば、「男はつらいよ」の新しい主題歌を作るようなものなのかもしれない。





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2008年10月22日

一発屋(one hit wonder)と一聴屋(one hit listener)

我がwet wet wetが「一発屋」として挙げられているのを目撃してしまった。
80年代後半から90年代にかけて、イギリスにおいてまさに国民的バンドだったwet wet wetのことを一発屋などと呼ぶ奇特な人はそういないだろうし、そんな書き込みなど相手にしない人がほとんどだと思いたいが、ファンとしては見過ごすわけいかない。数少ない日本のファンの使命として、そういった間違いがこれ以上蔓延しないように、非常に微力ではあるものの、彼等の輝かしいディスコグラフィーを再度掲載しておこうと思う。

アルバム

popped in souled out (1987) 1位
the memphis sessions (1988) 3位
holding back the river (1989) 2位
high onthe happy side (1992) 1位
live at the royal albert hall (1993) 10位
end of part one:their greatest hits (1993) 1位
picture this (1995) 1位
10 (1997) 2位
the greatest hits (2004) 13位
timeless (2007) 41位

シングル

wishing i was lucky(1987) 6位
sweet little mystery (1987) 5位
angel eyes(home and away) (1987) 5位
temptation(1988) 12位

with a little help from my friends (1988) 1位

sweet surrender(1989) 6位
broke away(1989) 19位
hold back the river(1990) 31位
stay with me heartache(can't stand the night)(1990) 30位

make it tonight(1991) 37位
put the light on(1991) 56位
goodnight girl(1991) 1位
more than love(1992) 19位
lip service(1992) 15位

blue for you/this taime(1993) 38位

shed a tear (1993) 22位
cold cold heart(1993) 20位

love is all around(1994) 1位
julia says(1995) 3位
don't want to forgive me now(1995) 7位
somewhere somehow(1995) 7位
she's all on my mind(1995) 17位
morning(1996) 16位

if i never see you again (1997) 3位
strange(1997) 13位
yesterday/maybe i'm in love(1997) 4位

all i want(2004) 14位

too many people(2007) 46位
weightless(2008) 10位


この輝かしいディスコグラフィーをどこからどう見たって、「一発屋」と呼ばれるような要素の欠片すら見つからないはずである。

そもそもwet wet wetを「一発屋」と勘違いした人の「一発」は、どの曲またはどのアルバムを指しているのか?

wet wet wetの他に、「一発屋」として挙げられているのが80年代後半のアーティストだったことからするとおそらく、デビュー時、日本においても洋楽雑誌を中心に大きく取り上げられていた頃のことを指しているものと思われる。守備範囲を「80年代、ミュージックライフ」に限定してしまえば、なるほどwet wet wetも「一発屋」に成り下がってしまうのかもしれない。
wishing i was luckyやアルバムpopped in souled outの頃にはwet wet wetに少なからぬ関心を持っていたにも関わらず、'94年love is all aroundの15週連続全英NO.1を見過ごすというのは信じがたいことではあるが...。
それとも、love is all aroundの大ヒットを「一発」として認識しているのだとしたら、それはもうどうしようもない。15週連続NO.1を基準にしたら、世の中「一発屋」だらけになってしまう...。


何も、「大ヒットの後もトップ40ヒットが数曲あるのだから『一発屋』ではない」とか重箱の隅を突くようなことを言っているわけではない。
3曲の全英NO.1(うち1曲は15週連続)をはじめとしたヒットシングルの数々、4枚のNO.1アルバムという、国民的バンドとしての凄まじい人気ぶりを見過ごすのはいかがなものかと言いたいのだ。そして、そんな迂闊さを棚に上げ、好きなアーティストを「一発屋」と冷やかされるのが、音楽好きにとっては忍びないのである。


アーティストを「一発屋(one hit wonder)」と呼ぶ以前に、1曲(または1枚)だけ聴いた自らの偏見によって「一発屋」と勝手に決め付けてしまう、そんなリスナーのことを“one hit listener”(「一聴屋」)などと呼んだらいいと思う。
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2008年10月21日

ホンダ・オデッセイのCMにゾクゾク

stayin' aliveをバックに流れる映像は、映画fargoのワンシーンのよう。fargoのほうは、もっとスリリングな場面だったが、スピード感はよく似ている。

コーエン兄弟作品の中でもfargoは特に好きな作品。

そのコーエン兄弟の最新作burn after readingに主演しているgeorge clooney。

george clooney演ずるダグがマークとともに、ダグの亡くなった父親のもとへ車で向かうERでのエピソードを思い出す。

そして、wet wet wetのmarti pellowはgeorge clooneyとよく似ていたりもする。

以前wet wet wetのオフィシャルサイトに、george clooneyとneil mitchelが1枚に納まった写真(live8の際に撮影されたもの)が掲載されていたが、martiのお兄さんという感じだった。

ちなみに、stayin' aliveのB面は、先日念願叶い再び手にすることが出来たthis way upのアルバムでもカバーされているif i can't have youだ。


...こんな風に好きなものがリンクするという個人的な喜びを抜きにしても、ホンダ・オデッセイのCMがカッコイイ。

第1弾を初めて見たときは、the killersのall these things that i' ve doneを使用したNIKEのCM以来、久し振りにゾクゾクした。


言わずと知れたBEE GEESの大ヒット曲、stayin' aliveをバックに、ひたすら夜道を走る車の前方のみを映し出すほとんど真っ暗な画面に、宣伝コピーと“ODYSSEY”の文字が現れるという実にシンプルな内容。stayin' aliveについて、あえてインストゥルメンタル部分をしようしている点も心憎い。
生意気を言わせてもらえば、本当は宣伝コピーも必要なかったと思うのだが、それでも最近の稚拙なアイディアをゴチャゴチャと詰め込んだCMに比べたらはるかに魅力的な仕上がりになっている。

「下手の考え休むに似たり」とか「船頭多くして船山に上る」といった例えそのままのCMを見せられるだけでも迷惑な話だが、いい大人たちが頭を突き合わせて考えたその稚拙なアイディアを、形にするためにそれなりの費用と時間と人員が動員され、現場では下っ端が怒鳴られたりして、完成後はそれなりに達成感みたいなものがあったりする...、なんてことを考えると何ともお寒い気持ちになる。生ぬるいアイディアのために、こき使われる人たちを思うと居たたまれない。

オデッセイのCMのようにシンプルでカッコイイもののほうが、携わる人達にとってもやりがいがあるだろうし、モチベーションも保ちやすいように思われる。


現在放送中の第2弾は、同様にstayin' aliveをバックに、george clooneyがオデッセイを駐車する様子をワンカメラで撮影したもので、これまた実にシンプルな内容ながらたまらなくカッコイイ。

ここでもやはり宣伝コピーは必要なかったと思う。というか、「おっ、ついにオデッセイが映った、おおっ、george clooneyが出てきた!!」という感じなので、宣伝コピーは全く印象に残っていない。
短くて、インパクトがあって、もちろん商品イメージを的確に捉えたコピーを考えるというのは大変な作業であり、かなり頭を悩ませたはずだが、残念ながら曲と映像の力に負けてしまっているというのが実際のところなのである。

BEE GEESも好きだし、george clooneyはER時代から好きな俳優ということで、贔屓目もあるかもしれないが、いい曲にいい車、そしていい男とくれば、余計な言葉は要らないのではないだろうか。
posted by atons at 17:42| Comment(0) | TrackBack(0) | TV・映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする