2008年12月31日

2008年の名曲厳選20曲

「2008年の名曲 厳選20曲(リリース順)」

1.chasing pavements/adele
2.melt my heart to stone/adele
3.that's how people grow up/morrissey
4.the very first time/ABC
5.chicago rose/marti pellow
6.echoes round the sun/paul weller
7.violet hill/coldplay
8.the bullet train/the blow monkeys
9.travelin' soul/the blow monkeys
10.closer/kings of leon
11.revelry/kings of leon
12.windfall/the troubadours
13.the shock of the lightning/oasis
14.you make it real/james morrison
15.mercy/duffy
16.distant dreamer/duffy
17.human/the killers
18.this is your life/the killers
19.home/david byrne & brian eno
20.strange overtone/david byrne & brian eno



「2008年私的関心事」

1、wet wet wet、weightlessで10年ぶりのトップ10ヒット、そして...。

2007年のアルバムtimelessからの2ndシングルweigtlessで10年ぶりのトップ10ヒットを記録。しかし翌週には96位に急降下という有難くない記録も作ってしまった。
結局、アルバムの再浮上に結びつくこともなかったために、せっかくの10年ぶりのトップ10ヒットも後味が悪かった。

2、duran duran来日ライブ

楽しみにしていたduran duranの来日ライブには参加できず、さらにアルバムred carpet massacreからの2ndシングルとしてまことしやかに噂されていたskin diversのリリースも無かった。
DVD:making of rioが発売されたものの、申し訳程度という感じもして、ライブに参加できなかった自分が悪いわけだが、duran duranについては少々寂しい1年となった。

3、懐かしい曲との再会とthe draize train

iTunes storeの充実に伴い、

hands to heaven/breathe
a good heart/feargal sharkey
love changes(everything)/climie fisher
scritti polittiのシングル各種
marionのアルバム

...など、懐かしい名曲やアルバムと再会することができた。
the smithsのthe draize trainが2度消えてしまうなど、いまだ謎も多いものの(?)、iTunes storeの充実振りはとても有難かった。
また、かつて売りに出したことを後悔していたfeelin' good about it/this way upとの再会も嬉しかった。

4、紙ジャケ問題

紙ジャケにすれば売れるというような安易な風潮が嫌だった。実際にコレクターには売れてしまうから、本来は紙ジャケより優先されるべき内容面での充実がおろそかになってしまっている。また紙ジャケにばかり気を取られ、そのアーティスト新作を聴いていないという迂闊な事態を招くことにもなっている。

いま一度、その小さな紙のジャケットにどれだけの価値があるのか、レコード会社にも、喜んで購入する人達にも考えなおしてもらいたいものだ。




「2009年も...」

2008年、UKおけるアルバムとシングルの売り上げトップ10が発表された。

「2008年UKで最も売れたアルバム・トップ10」2008-12-30 BARKS

http://www.barks.jp/news/?id=1000046045

(アルバム)
1.ダフィー『Rockferry』
2.テイク・ザット『The Circus』
3.キングス・オブ・レオン『Only By The Night』
4.レオナ・ルイス『Spirit』
5.コールドプレイ『Viva La Vida Or Death And All His Friends』
6.リアーナ『Good Girl Gone Bad』
7.キラーズ『Day & Age』
8.ガールズ・アラウド『Out Of Control』
9.ピンク『Funhouse』
10.スカウティング・フォー・ガールズ『Scouting For Girls』

(シングル)
1.アレクサンドラ・バーク「Hallelujah」
2.X Factor Finalists「Hero」
3.ダフィー「Mercy」
4.ケイティ・ペリー「I Kissed A Girl」
5.ニッケルバック「Rockstar」
6.エステル「American Boy」
7.キングス・オブ・レオン「Sex On Fire」
8.ベースハンター「Now You're Gone」
9.マドンナ「4 Minutes」
10.サム・スパロー「Black & Gold」


duffy/kings of leon/coldplay/the killersの4枚は個人的にもよく聴いたアルバム。特にthe killersのday & ageは、昨年のベスト・アルバムだと思っている。

年間売り上げのトップ10に自分の好きなアーティストが4組も入るというのは非常に珍しい。というか、おそらく80年代も含めて、4組というのは初めてのことだと思う。


来年もこういった素晴らしいアーティストと作品に出会える1年でありますように。

そしてまた、こういった素晴らしいアーティストと作品が、より多くの人に聴かれる1年でありますように。

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2008年12月30日

2008年を振り返る(3)antidotes/foals

下半期の名盤たちのせいで、最近はすっかり聴くことがなかったfoalsのantidotes。久し振りに聴きなおしてみたが、やはりいいアルバムだ。

何よりタイトでクリアなサウンド、そして緻密に練り上げられた楽曲は、インディーズ然としたありがちな新人バンドと比べるまでもなく、繰り返し味わえるクオリティだと思う。

foalsといえばマス・ロックに分類される性急で硬質なビートが特徴だが、個人的には日本盤の解説において、「多層的で氷壁のような美を伴うサウンド」と表現された点こそ彼等の持ち味として大いに評価している。アルバムの中でも、heavy waterやtronといった曲に特に耳を奪われる。


彼等をして2ndアルバムが1stアルバムの延長であることなどは到底考えられず、例えば「多層的で氷壁のような美を伴うサウンド」が全面に打ち出されることも当然あり得るわけで、もしそのような2ndアルバムになれば、いくら他に名盤が続出したからといっても、久しく聴き忘れるなんていうことにはならないだろうと思う。



「ジャケット以上の衝撃」2008/4/3

もともと、効果的なコーラスとツボを押さえたアレンジにより、グルーヴ重視のスタイルとエキセントリックで個性的なボーカルにしては、意外なほどポップな感触がある面白いバンドではあったが、この1stアルバムantidotesに至り、そのポップ・センスにさらに磨きがかかったように感じられる。


しかも、彼等のアート志向をうかがわせる、どちらかといえば前衛的ともいえる、クールかつ理知的なブラスの大幅な導入と、美しさすら感じさせる鍵盤類による繊細な音使いが、アルバム全体に鮮烈なインパクトを与えるとともに、各曲の輪郭を際立たせた結果として、ポップにビルド・アップしたように感じられるのだから、やはりこのバンドは只者ではない。


一方、無駄なく絶妙の間で鳴らされる有機的なグルーヴには、相変わらず微塵の迷いもなく、むしろ重厚さとしなやかささえ加わっている。


性急で硬質なビートということであれば、どこか味気なさや物足りなさが付き物だったり、何より最近ではそれ自体に食傷気味でもあるのだが、彼等の有機的グルーヴとソリッドかつ眩く幻惑的な音空間、そして全体としてのポップな印象には、他に類を見ない存在感がある。

奇妙なジャケットに負けず劣らずユニークで刺激的な内容だ。

3月30日付イギリスの最新アルバムチャートでは、3位に初登場している。
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2008年12月29日

2008年を振り返る(2)greatest hits/morrissey

2004年の復活後に焦点を当てたgreatest hitsということで、過去のコンピレーションに比べればそのコンセプトも明快であり、morrisseyとしては最もベスト盤らしいベスト盤といってもいいのではないだろうか。

レコード時代のベスト盤を思わせるノスタルジックな装丁も素晴らしいし、おそらくベスト盤ということで使用された過去の写真も味わい深く、特にmorrissey自身による身体を張った駄洒落、“YOUR ARSE AN' ALL”の生尻写真は、ニュー・アルバムが発売延期されてしまった今となっては、2008年最も印象的な事件だったといえるかもしれない?

2曲収録された新曲that's how people grow upとall you need is meも、「秋頃発売予定のニュー・アルバムからの新曲」ということだったのだが、結局ニュー・アルバムyears of refusalまでは、1年間待たされることになってしまった。

ソロ・デビュー20周年だった2008年。
当初はこのgreatest hitsとともに、20周年を記念するはずだったアルバムyears of refusal。来年にずれ込み(2月11日日本先行発売)、奇しくも21年目の幕開けを飾る形になったしまりの無さというか、そういった一般的な尺度など気にもかけていない感じがいかにもmorrisseyらしい。


それにしても(途中で長いお休みはあったものの)20年である。

morrisseyが20年に渡り、新作をリリースし続け、今ではかつてないほど精力的にライブをこなすようになっているとは一体だれが想像できただろうか。
おそらくmorrissey本人でさえ、自らの過去を驚嘆の思いとともに振り返るのではないかと思う。

morrisseyがこうして新しい歌を作り、歌い続けること自体がもはや奇跡のようなものであり、それゆえに僕も彼の歌声を聴いて、まだ生きる価値があると思えるわけである。



「morrisseyの現在を伝える大ヒット・シングル・コレクション」 2008/2/7

greatest hitsの名に相応しく、新曲2曲を除く13曲が全てがTOP20ヒット、しかもそのうち9曲はTOP10ヒットを記録している、morrisseyの最新ベストアルバム。今年で20周年を迎える彼のソロキャリアを考えてみると少々物足りなくも感じられるのは、その13曲中9曲が'04年のアルバムyou are the quarry以降の作品で占められているという、偏った選曲のためである。

しかしながら、you are the quarryからのシングル4曲全てがTOP10ヒットを記録、おまけにライブ盤live at earls courtからのredondo beachも11位、'06年のringleader of the tormentorsからは、you have killed meの3位を含む4曲のTOP20ヒットを記録するという、'04年以降の桁外れな活躍ぶりからしてみれば、偏った選曲も止む無しといったところ。

今作は、kristeen youngの妖艶なコーラスが印象的なthat's how people grow upと、未だ彼にしか歌えないであろうall you need is meという新曲2曲、さらにキャリア史上最強の歌声が堪能できるライブCDとともに、むしろ絶頂期にあるmorrisseyの現在を捉えた作品集といった性格が強い。

事実、2曲の新曲は今年の秋に予定されているというニュー・アルバムへの期待を高めるものだし、ライブCDを聴けば彼の現在を目の当たりにしていない日本のファンにとっては、悲願の来日への想いが募るばかりで、過去を振り返るような気持ちには到底なれないのだ。
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2008年12月28日

2008年を振り返る(1)19/adele

BBCのsound of 2008の1位に選出され、シングルchasing pavementsこそ2位に留まったものの(それにしても、chasing pavementsの1位を阻止したbasshunterのnow you're goneの良さはちっとも理解できなかった...)、続くアルバム19で順当に初登場1位を獲得。

前年のmikaに続いて今年はadeleの年になるものと思われたが、その後にデビューした(同じくsound of 2008の2位に選出された)duffyが世界レベルで大ヒットを記録するにいたり、すっかりその影に隠れてしまうことになったのは残念だった。

確かにボーカリストとしてのduffyの魅力には、adeleであろうが誰であろうが太刀打ちできないわけだから(adeleも相当凄いのだが、duffyがそれに輪をかけて凄すぎる)、それもやむを得ない。

しかしながら、アルバムとしてはadeleの19のほうが断然面白く聴き応えがある。
何しろ1曲として同じような曲がないだけでも驚くべきところに加えて、いずれの曲においても新人らしいヴィヴィッドなポップ・センスと新人らしからぬ安定感のあるソングライティング・センスが遺憾なく発揮されている。
女性ボーカルという枠組みには納まりきらない、そして新人などとは思えない、とんでもなくクオリティの高いポップ・アルバムだ。

そのソングライティング・センス、そして過去から現在まで自由に行き来できるオリジナリティに溢れたポップ・センスは、duffyを含めた今年の新人の中ではやはり最も魅力的なものだと思う。

「グラミー賞をもらうのはまだ早い」とか「悲しいことしか歌に出来ない」という発言から窺える欲の無さやマイペースなスタイルのために、2ndアルバムの完成までには時間がかかるのかもしれないが、現在の生き馬の目を抜く世知辛いショウ・ビジネスの世界にあっては、それゆえに尚更楽しみである。



「評論家いらずの圧倒的な歌声」2008/2/1

ギターを爪弾きながら淡々と歌われるdaydreamerやコケティッシュなfirst loveでは、ピュアな佇まいのフォーク・シンガー。
リラックスした雰囲気のcrazy for youやbob dylanの曲をフォーキーに優しく歌うmake you feel my loveでは、クールで成熟したジャズ・シンガー。
壮大なソウル・バラードmelt my heart to stoneやソウルフルに切なく歌い上げるhoumetown gloryでは、胸をビリビリと刺激するソウル・シンガー。

という具合に、鮮やかに表情を変えるそのボーカルに圧倒される。

しかも驚くべきは、そのどの表情も取ってつけたような感じではなく、全てがadeleの心からストレートに解き放たれたかのようにある種の熱を帯びていて、自然でとても生き生きとしているということだ。

だからこそ、例えば物憂げな導入部からソウルフルに展開するchasing pavementsのように、1曲中にその表情が変化しても全く違和感がなく、ひたすら感動的なのだ。

さらに、ベースとピアノによるゴスペルbest for lastや、mark ronsonプロデュースのダンサブルなcold shoulder、ボーカルワークを生かしたmy same、エレクトリックなテイストとクールなリズムのtired、と現代的な感覚も兼ね備えるのだから、etta jamesやamy winehouse、bjorkといったシンガーとしての系譜に属するのはもちろんのこと、その多彩でユニークなポップ・センスはkirsty maccolあたりの面影も感じられ、今後の音楽的な広がりにも大きな期待が持たれる。

デビュー前からBBCのsound of 2008の1位に選出されたり、BRIT awardsではcritics' choiceの受賞が決定しているadele。
しかし、そういったメディアによる青田買い的情報も必要ないほど、彼女の歌声は圧倒的に力強く美しい。


「今adeleを聴かずして何を聴くのか?」2008/2/1

adeleのデビューアルバム19は、今adeleを聴かずして何を聴くのかというほどの凄まじい内容だ。

歌声の素晴らしさについては、hometown gloryとchasing pavementsで証明ずみだったが、アルバムにおいてbob dylanのカバーmake you feel my love以外、全ての作曲(共作も含む)を手がける、作曲におけるその非凡なセンスにも大いに驚かされる。

新人らしいヴィヴィッドな感覚はもちろんだが、それぞれにしっかりとフックが効いた、様々なタイプの曲を書けるという新人らしからぬ風格さえ漂わせている。

淡々としたフォークdaydreamer、ベースの弾き語りからゴスペルへと展開するbest for last、シングル向きの強力なフックを持つchasing pavements、ダンサブルなcold shoulder、jazzyでリラックスしたムードのcrazy for you、壮大なソウル・バラードmelt my heart to stone、チャーミングなfirst love、ノスタルジックなポップスright as rain、jazzyでhipなmy same、現代R&B調のクールなtired、クラシカルで正統派のバラードhometown glory。

どの曲もクオリティが高く、飛ばせる曲などない。
アルバム1枚がとても短く感じられる。

美しいメロディにユニークなポップ・センス。
そして、あらゆる感情を呑み込んでしまったかのような圧倒的な歌声。何度でも聴きたくなる。
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2008年12月27日

twisted tenderness/electronic

「突然のelectronic」2006/3/30

electronicはいつも突然だ。
リリースの無い期間は、全く情報が入ってこないのだから仕方が無い。

2ndからこの3rdのリリースまでの間、唯一の情報は某雑誌に「ベスト盤発売」の情報が掲載されたこと。
アルバム2枚でベスト盤という強引なアイディアは、おそらく日本独自企画だったと思うのだが、結局発売されることがなかったのだからわからない。

うれしさのあまり、レコード会社に収録曲について、要望のハガキをだしたファンの気持ちはどうしてくれるの?と言ったところで、今となっては自分の妄想と疑われても仕方の無い出来事。

それくらいしか情報がないのだから、3rdの発売もやはり突然だった。


聴いてみたら、前作までが嘘のように、また前作までの分を取り返すように、突然johnny marrがギターを弾きまくっている。
prodigal sonのパンキッシュなビートに扇情的なギターが絡んでくる頃には、興奮と感動と、久し振りに溢れてくる音楽への圧倒的な信頼で胸が熱くなっていた。

彼は、このアルバム製作の前に、marionの2ndアルバムthe programをプロデュースしている。これが「ギターへの愛を再確認するきっかけとなった」と語るmarr。


あえて弾かなかったelectronicで弾いて、傑作を創ってしまった。

アルバムとしてはどこか不完全な印象が残る前2作が、それ故に次への期待感を抱かせたのとは対照的に、この完璧なアルバムはelectronicの終わりを予感させ、長年彼等を追いかけたファンにとっては、待たされた挙句、突然煽られたかと思ったら、また突然幕引きをされたようなそんな罪作りな内容でもある。

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2008年12月26日

raise the pressure/electronic

「予感 」2006/3/18

1stから5年後に突然届いた2nd。すっかりかなわぬ夢とあきらめかけていたところに届いた新作の情報だけで、ちょっと興奮気味だった。さらに先行シングルforbidden cityが1stとはかなり趣が異なるバンドサウンドによるギターポップで、その変わり様に耳を疑いながらもメランコリックなメロディと洗練された緻密なサウンドが美しく大いに感動してしまった。...こんな具合にelectronicの2ndアルバム発売はそれだけで大事件だった。

アルバムにはダンサブルな曲もあるが、やはり洗練された完成度の高いギターポップという印象が強い。どの曲にもフックがあるうえにfor youの躍動感、time can tellの静謐な調べなど、随所にmarrの美しく瑞々しいギターを聴くことができる。だからこそここにもうちょっと歪んだギターの鳴るロックよりな楽曲が無いのが不自然に思われたりもする。

日本盤のボーナストラックall that i need(シングルfor you収録)がわりと重量感のあるロックだったために尚更その思いも強くなり、結果的にアルバム全体としては少し物足りなく感じられてしまうところもあった。それは無論「次回作への期待」にも転じるのだが...、marionの2ndアルバムthe programのプロデュースを経たうえで3rdアルバムtwisted tendernessでのロック回帰までにはまだもう少し時間が必要だった。

そういう意味ではどこか明るく希望に満ちた感じのする楽曲とやり残した感の否めないサウンドから、electronicがまだ続いていくということを予感させた作品だったといえるかもしれない。
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2008年12月25日

electronic/electronic

「the best song of the 90's ...for me anyhow!」2006/3/17

大伴良則氏のラジオでgetting away with itをはじめて聴いて、その完成された美しさに耳を奪われてしまった。アルバムの発売までは、それからかなり待たされたように記憶している。

国内盤の発売日には、ちょうど試験期間と重なったものの、我慢できずにCDショップに走った。

そこでまたget the messageとの感動的な出会いがあった。
johnny marrの開放感あふれるギターではじまり、ゆったりと深くグルーヴするリズムトラックを、この上なく優しいメロディが包み込む、極上のポップス。
メロディ、アレンジ、全てにおいて完璧な曲。15年間、聴き続けているというのに、聴くたびに気持ちが高揚してしまう。


ところが、この曲を含め、アルバムが発売された当時の各音楽誌の反応というのは、非常に冷たいものだった。たしかに、評論家のネタになるような、ふたりのエゴのせめぎ合いもなければ、時代を変える新局面も提示されていない。アルバム全体としても、彼等のベストとは言い難いかもしれない。

しかし、少なくともgetting away with itとget the messageはとんでもない名曲であるわけで、この2曲を収録したアルバムに対してクールでいられる感性の鈍さ、そして結果的に隠れた名曲にしてしまった迂闊さには、許しがたいものがある。


最近、robbie williamsが90年代のベストソングとしてget the messageを挙げていることを知った。
15年を経て、心を開いて純粋に音楽を愛するものだけが感動できる名曲という証を得たような気がして、とてもうれしかった。

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2008年12月24日

do they know it's christmas?

昨晩のニュース23を見てすっかり気が滅入ってしまった。

ああいう厳しい現実を伝えるのが彼等の仕事だとしても、そして現実が映像よりもっと厳しい状況にあるのだとしても、それを散々見せられて、希望の光とまでは行かなくても、救いの欠片さへ感じられないまま終わってしまったのは、庶民の身体には非常に堪えた。

クリスマス、そして正月間近というタイミングで、あそこまで暗澹たる気持ちにさせるのはどうかと思う。


厳しい状況をリアルに表現するのには良かったかもしれないが、芸能人のナレーションというのも逆効果で、暖かいスタジオで働くニュース・キャスター共々、深刻ぶった声や険しい表情ほど、実際は身に積まされてはいないだろうなぁと思ってしまった。


それは、暖かな部屋の中でクリスマスのご馳走を食べながら、寒さの中働く人達や、厳しい現実が映し出されるテレビを見て、「大変だねぇ」と眉間にシワを寄せてみることと何ら変わりがない。


そして、今年のクリスマスも、愛だの恋だのに終始し、ふたりだけの世界で完結してしまっているような視野の狭いクリスマス・ソングが流れる。

厳しさを肌で感じ、さらに昨晩のニュース23でダメ押しされた今年のクリスマスには、そんなクリスマス・ソングが特に違和感たっぷりに、滑稽に聞こえてくる。

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2008年12月23日

i'm throwing my arms around paris/morrissey

morrisseyの新曲i'm throwing my arms aroud paris(来年2月11日、日本先行発売のアルバムyears of refusalからの1stシングル)を聴いた。


前2作からの1stシングルと比べると、落ち着いた印象。メリハリのあるサウンドはjerry finnならではあるが、例えばmy love lifeやvauxhall & iあたりのカップリング曲といった感じもする。

メロディも前2作の1stシングルほどの即効性には欠けるかもしれない。

しかし、Aメロからあっという間にサビという曲構成、3分に満たない短さなど、ノスタルジックなポップ・ソングとしてのスタイルは、やはりどこまでもmorrissey的である。


さらに、全体のバランスもいつにも増してボーカルをメインに据えたという感じがして、曲調とともに穏やかに聴こえながらもあくまでも強靭で、そして堂々とした風格がありながらも切実に胸に響くという、その歌声についても、新作ごとに凄みを増していくという意味において、これまで以上にmorrissey的と言わざるを得ない。


歌詞もその如くであり、パリの人々の優しさに触れパリが好きになったとか、世界中を旅して最も素敵な街だった、などという定型を取らないのは当然の話。

「パリの石と鋼の街並みだけが、誰も見向きもしなかったこの僕の愛を受け入れてくれた」という行から、i'm throwing my arms around parisという表現が、「パリを抱きしめる」という明るいトーンではなく、石の壁や街灯に、まさに腕ばかりでなく疲れきった身体を文字通り投げ出すという、暗く寂しく惨めなイメージを有するということが分かるわけだが、それがごく自然で確実なことであり、心持は実に穏やかで、顔を見れば笑みさえ湛えているという情景も浮かんでくる。


よりナチュラルで確信に満ちた表現力は、自ずと真に迫り、凄みを増す。これはもはやmorrisseyの極みといっていいだろう。


i'm throwing my arms around paris

in the absence of your love
and in the absence of human touch
i have decided i'm throwing my arms around paris
because only stone and steel accept my love

in the absence of your smiling face
i traveled all over the place
and i have decided i'm throwing my arms around paris
because only stone and steel accept my love
i'm throwing my arms around paris
because only stone and steel accept my love.

i'm throwing my arms around paris
because nobody wants my love
nobody wants my love
nobody needs my love
nobody wants my love

yes you made yourself plain
yes you made yourself very plain

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2008年12月21日

冬に聴く隠れた名盤

冬になると再生回数が増えるのが、marti pellowのアルバムsmile。2001年の6月にリリースされた初ソロアルバムである。

イギリスの国民的バンドwet wet wet、そのボーカリストの初ソロ作品にも関わらず、残念ながら日本盤がリリースされることはなかった。

当時、さすがに日本盤がリリースされないなんてことはないだろうと思っていたら、いつまで経ってもリリースの気配がなく、日本におけるwet wet wetの人気の無さを痛感しつつ、結局輸入盤を購入したのはもうだいぶ秋も深まった頃だったように思う。

ただでさえmartiのボーカルが胸に暖かく沁みるところに、アルバムを購入した時期も影響して、いっそう冬に聴きたくなるのだろう。

さらに、1曲目hard to cryの冒頭

one flake of snow does not mean its winter
one ray of light does not mean its day
the tree may fall
its silence will linger

の行も当然影響している。


hard to cryは、ストリングスとトレモロ・ギターによる実にシンプルな演奏をバックに、martiが自らの歌だけで勝負した圧巻の名曲である。

そのパフォーマンスは、wet wet wetの解散、そしてドラッグ問題と苦しい時期を乗り越え、再び純粋に歌うことの喜びを噛みしめていたであろう彼にとっての、まさに復活宣言のようにも感じられ、そういった状況を投影したかのような歌詞とともに、非常に感動的であり、また清々しく凛とした気持ちにもさせられる。もっと多くの人に聴いてもらいたい名曲だ。


アルバム全体としても、落ち着いた雰囲気ながら、1stシングルとして9位を記録したキャリア初の本格的AORバラードclose to youや、wet wet wetのライブには欠かせないlittle featのroll um easyを思わせるthis moment is ok、グルーヴィーなゴスペル・チューンnew york vibe、そしてgraeme clarkとの共作による(どちらかといえば再結成後のwet wet wetの作風に通じる)切なく美しいメロディが印象的なthe moment of truthなど、楽曲のクオリティも軒並み高い。

また、wet wet wetの2ndアルバムthe memphis sessionsのプロデュースを手がけたwillie mitchellも名前を連ねるi've been around the world(2ndシングル)/the missing sound/memphis moonlightの3曲におけるオーセンティックなソウル・フィーリングも聴き応え十分である。

日本盤未発売ということからも、隠れた名盤と呼びたい1枚だ。

iTunes store(marti pellow)
http://itunes.apple.com/WebObjects/MZStore.woa/wa/viewArtist?id=13133440
posted by atons at 17:28| Comment(0) | TrackBack(0) | wet wet wet | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする