2009年09月30日

the power stationの有難さ

先日デラックス・エディションのDVDを見直してから、power stationを聴くことが多い。duran duranのライブでelection dayが演奏され、arcadiaを聴く機会が増えていたためにバランスを取ろうとしているわけではないだろうが、とにかくこれほどじっくりと聴くのは久し振りのこと。


聴くたびに、ここまで大胆にドラムの音を加工しているにも関わらず、つまり80年代的手法にも関わらず、今聴いても圧倒的にカッコいいことに関心させられる。無論時代は感じられるものの、その時代の最高峰の音となると、そう簡単に古臭いなどと片付けられるものではない。鮮烈なブラスサウンドも改めて素晴らしいと思う。これほど切れ味鋭く力強いブラスの音を、四半世紀たった今に至るまで他では聴いたことがない。


出色はやはりsome like it hot。ベースとブラス、そしてギターによる黒くファンキーなグルーヴに、パワフルなドラムサウンドがロックのダイナミズムを注入。一見クールにしかしそのグルーヴに火を注ぐが如き熱を放つ刺激的なrobert palmerのボーカル。それらがほとんど奇跡的なレベルで融合を果たした唯一無二の存在感を放つ、文句なしでカッコいい曲だ。

lonely tonightやgo to zeroでは、robert palmerが主導権を握っているように感じられるし、そのほかの曲ではファンキーなアレンジを施しながらも、やはりロック寄りに傾きがちである。そんな中some like it hotは、それぞれのメンバーの持ち味が最大限に発揮されながら、絶妙なバランスで成立しているという感じがする。

ベテランのミュージシャンのサポートが無ければ成し得なかったサウンドだとしても、それらの強烈な個性とタメを張り、これだけの曲を完成させたことについては、今更ながらjohnとandyの勇気と想像力とミュージシャン・シップには拍手を贈りたいと思う。


ありがちなハード・ロック的展開を大きく裏切りファンキーに生まれ変わったget it onも、そもそもこのプロジェクトの端緒でもあったアイディアをbernard edwardsの手腕により見事に具現化したというべき素晴らしい仕上がり。同時期のfrankie goes to hollywoodによるオリジナルに近いカバーと聴き比べるまでもなく、クセのある曲を臆することなく大胆かつ斬新に料理した名カバーである。

といっても、当時はまだculture clubとduran duran、そしてその周辺くらいしか知らない中学生。当然t.rexのことは知らなかったし、get it onのオリジナルを聴いたのもpower stationの後のこと。つまりpower stationを介してt.rexを知ったのである。そう言うと古くからのファンや、古いロック好きの人は渋い顔をするかもしれないが、僕はそうやって好きなアーティストから古きよきものや新しいものを学んできた。

power stationからは、そのt.rexとchicとisley brothers。もちろん、その後robert palmerを聴くようになり、tony thompsonのドラムとプロデューサーとしてのbernard edwardsを意識するようになった。


そういう意味では、power stationというプロジェクトはその素晴らしい作品も然ることながら、僕にとっては音楽の間口をかなり広げてくれるきっかけとなった忘れがたい存在でもある。それゆえに、robert palmer、tony thompson、bernard edwardsの3人がすでにこの世にいないということが本当に残念でならない。
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2009年09月29日

変わらないもの

聴きすぎるほど聴いてすっかり身体に染みついているから、普段はculture clubの曲をアルバム単位で聴くことはめったにない。culture clubのレコードは実家の棚でホコリをかぶっているし、CDも同じく実家の押入れの中に閉まってある。気がつけば、iTunesにもmiss me blind/time/move away/heaven's children/your kisses are charityしか入っていない。

ただ実家に帰り、チラチラと視界に入り込むレコードや、当時culture clubばかり聴いていた自分の部屋にいると、無性にculture clubを聴きたくなり、CDを押入れのダンボールから引っ張り出すこともある。




僕が最初に買った洋楽のレコードはcolour by numbersで、それこそ音楽を聴き始めた頃は、このアルバムばかり聴いているようなものだった。あとは兄からダビングしてもらったduran duranを聴く程度。

もちろん、最初はboy georgeが男か女かも分からず、ジャケットのほかのメンバーがboy georgeの変装のように思えたり、曲のタイトルさえ確認せずにただ聞き流しているだけだったが、部屋の壁にはポスター、下敷きには切り抜き、缶ペンケースにはシールと、身の回りのあらゆるものがboy georgeの顔で埋め尽くされる頃には、その音楽も僕の生活にとって無くてはならないものとなった。


今はすっきり片付けられて快適になったその部屋も、当時はあやしげなポスターで覆い尽くされ、音楽雑誌やレコードやカセット・テープ等がぎっしり詰まったカラーボックスやラジカセ、真ん中にはコタツ、一応勉強机もあったりして、今思えば六畳ほどのスペースでさらに布団を敷いて一体どうやって寝ていたのだろうかと不思議な思いもする。


窓の外は今さら感傷的な気分に浸ることもできないほど、この20年以上の間にごく自然に変わってしまったのだが、ふと「もっと強烈な夕焼けが見えたのに」とか「カエルの大合唱が聞こえなくなったなぁ」と思う時にはちょっとだけ切なくなる。



周囲が様変わりする中、変わらないのはcolour by numbersの瑞々しくポップで美しいメロディ。

そしてその傍らで同様に変わらず未だ燻り続けている僕。

普段culture clubの曲をあまり聴かなくなったのは、変わらず輝き続けているculture clubの音楽が、そんな僕にとってあまりにまぶしすぎるからなのかもしれない。

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2009年09月28日

you are not golden

mikaのthe boy who knew too muchが初登場1位、...madonnaという強敵がいなければ...。

しかし、mdonnaのベスト盤に1位を譲るのはやむを得ないとしても、どう考えても2位は確実。これほどの力作、しかも誰の耳にもあからさまなほどに超ポップ、加えてサウンドはよりコンテンポラリーにシフトしつつ多彩に広がり、1stよりもむしろ大衆にアピールする内容といえるだろう。それなのに力強さも美しさも減じることなく、より聴くもの心にストレートにさらに深いところまで飛び込んでくる。

きっとシングルwe are goldenが4位に留まったのも、アルバムのリリースが待たれているからに違いない。we are goldenに抗えることなど誰もできない。当然、アルバムも世界中が聴かずにはいられないはずだ...。


そんなmadonnaへの妬みとthe boy who knew too muchの素晴らしさに由来する自信と、ほんのちょっとの不安とともに覗いた、9月27日付最新のUKアルバムチャート。

mikaのthe boy who knew too muchは初登場4位。

先週初登場1位のmuseが気にならないではなかったし、dizzee rascalの人気も承知したそのうえで、madonnaのベスト盤に次ぐ2位を確信していたのだが、まさかシングルに続きトップ3を逃してしまうとは。


これまでも1位を取ってしかるべき曲やアルバムが1位を逃したのを何度も目撃してきたし、自分の好きなアーティストが、robbie williamsやthe killersなどを除けばむしろ大ヒットとは縁遠いタイプばかりなので、そういった自分の嗜好や期待を裏切るようなチャートにいちいち落胆することもない。

しかし、このthe boy who knew too muchの4位という結果には、ただただ意外で驚きで、落胆も通り越して呆気に取られてしまうばかり。


どんな事情が影響しているのか分からないし、そもそもこんな素晴らしいアルバムが4位に留まる事情など知る必要もない。日本人に言われたくはないだろうが、イギリスは一体どうなってしまったのか? 大丈夫なのか?
posted by atons at 18:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月27日

spandau balletの再結成は是か非か

いつも連休中に寂しく思うのは、CDジャーナルからの貴重な情報が途絶えてしまうこと。毎日配信される音楽好きには欠かせないメールマガジンが休日には届かないのだ。

例えば、「スパンダー・バレエ、20年ぶりの新曲を発表!新録曲の無料ダウンロード配信も実施中」なんていう有難い情報をいち早く提供してくれるのは、音楽業界最後の良心CDジャーナルだけだ。


「スパンダー・バレエ、20年ぶりの新曲を発表!新録曲の無料ダウンロード配信も実施中」2009/09/25 CDJournal

http://www.cdjournal.com/main/news/spandau-ballet/26393

「今年10月より再結成ツアーをスタートさせる、スパンダー・バレエ(Spandau Ballet)。翌11月にはバンドの復活を高らかに宣言する新曲のリリースが決定! バンドが新曲を発表するのはアルバム『Heart Like a Sky』(1989年)以来、約20年ぶりのことです。
 
 今回の再結成では、トニー・ハドリー、ジョン・キーブル、ゲイリー・ケンプ、マーティン・ケンプ、スティーヴ・ノーマンのオリジナル・メンバー5人が参加。リード・シンガーのトニー・ハドリー曰く、新曲は“単に昔のヒット曲を演奏するだけのツアーにはしたくなかった”という彼らがバンドの復活を示すために作り上げたもので、計2曲の新曲を制作しています。
 
 新曲2曲は11月9日(英国)に発売されるバンドの新ベスト・アルバム『Once More』(写真)に収録。また同日(英国)には、タイトル曲である新曲『Once More』がシングルとしても発売されます。
 
 なお、アルバム・リリースに先駆け、バンドの公式サイト内では、人気曲『Only When You Leave』(オリジナル:1984年)の新ヴァージョンが無料ダウンロード配信されています(要メーリングリスト登録)。期間限定での配信となりますので、入手はお早めに。」
 



johnny marrに「誰か彼らに再結成オファー以上のギャラを提示して、再結成を思いとどまらせたらいいのに」とまで言わせてしまったspandau balletの再結成。確かに過去のメンバーの確執からすれば、いかにも金銭目当ての再結成らしく、再結成ツアーだけで終わる雰囲気が漂っていた。

ところが何と11月に発売するベスト盤once moreに新曲2曲が収録されるという。

たった2曲の新曲で、再結成ブームに乗じた打算ずくの再結成ではないことを証明できるものではないし、どちらかといえば言い訳的な感じがしないでもない。しかし、ただ復活ライブを行うよりはよほどマシだ。


しかも、早速ダウンロードしてみたonly when you leaveの新録ヴァージョンが、いかにもなしっとりAOR風アレンジではあるものの、美しく切ないメロディが存分に生かされており、それがtony hadleyの見事なボーカルとあいまって実に素晴らしい仕上がりなのだ。


80年代当時から、その美しい旋律に魅かれつつも垢抜けないサウンドに馴染めず、もう1歩踏み込めなかった僕にとっては、まさにお誂えむき。オフィシャル・サイトによれば、どうやらベスト盤はonly when you leaveのような新録ヴァージョンで構成されるらしく、俄かにspnadau ballet再結成への関心が高まってきた。

これならば再結成の価値は十分にあるに違いない。johnny marrに異を唱えることになっても、そう思う。
posted by atons at 22:24| Comment(2) | TrackBack(0) | 80年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月26日

rioのデラックス・エディションは新作の前フリなのか?

duran duranにとって初のデラックス・エディションをどこか冷めた気持で聴きつつも、やはりこのrioというアルバムの凄さには圧倒される。

正確に言えば、この満を持して発売されたデラックス・エディションをしても、rioの魅力は結局そのオリジナルの魅力に尽きるということ。それほど凄まじい内容だと思う。


確かに、サウンドの完成について言えばseven and the ragged tigerを待たねばならないし、そこから早々に余分な装飾を取り除き、進化こそduran duranの信条であることを強烈に宣言してみせたnotoriousのパワーにも抗えない。さらに、まるで自らのルーツに向き合うかのように、もしくは惜しげもなく自らの手の内を明かすかのように、その実に雑多な多様性をあるがままにしかしあくまでもポップに美しく披瀝したbig thingも、duran duranを語る上では外すことができない非常に興味深い内容である。


しかしながら、そんな中にあってもrioが圧倒的な存在感を示しうるのは、つまり全曲シングル・カット可能なほど強力なメロディがあるからであり、またそれが経験や技術や理論等によってどうにかなるものではなく、時期やひらめきあるいは天や神に委ねるしかない類のものだからである。rioのこの奇跡的なクオリティは、若さや情熱、溢れるクリエイティヴィティにイマジネーション...、ありきたりながらも結局そんな言葉で説明するしかない。これだけ超キャッチーな曲をアルバム1枚分作ることなどそう簡単にできるものではない。


したがって、残念ながらduran duranも、rioに匹敵するような全曲シングル・カット可能なクオリティのアルバムは生み出せずに現在に至る。


もちろん、それを期待すること事態がそもそも酷ではある。しかし、来るべき新作は、プロデューサーのmark ronsonによると80年代的なサウンドに仕上がっているとのこと。四半世紀を経てrioが生まれ変わった同じ年に、その新作を聴くことはどうやら難しくなってしまったようだが、80年代的な感触を持つ新作の発表を控え、duran duranのメンバーはrioをどのような思いで受けとめるのか。新作はどのような内容になっているのか。そして、願わくばそれがrio以上の傑作であって欲しい。


rioのデラックス・エディションを聴き、その内容に圧倒されながらも、考えるのは現在のduran duranと来るべき新作のことばかりである。
posted by atons at 22:29| Comment(0) | TrackBack(0) | duran duran | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月25日

デュラン・デュラン初のデラックス盤“Rio”

80年代を代表するアルバムの1枚であることは、duran druanのルックスの良さに嫉妬し悔し紛れにアイドルとして片付けるしかない評論家をしても異論を挟むことができない傑作rio。そのポップで煌びやかなメロディ、タイトでグルーヴィーなサウンドは今もその輝きを全く失っていない。

今回満を持してリリースされたrioのデラックス・エディションには、当時の音楽シーンとduran duranを語るに欠かせない12インチバージョン、そして強力なメロディと瑞々しいサウンドとともにアメリカ進出への足がかりとなったアメリカ向けのリミックス・バージョン、さらには貴重なデモ音源にシングルB面曲も収録されている。

80年代からのファンには記念すべきduran duran初のリイシュー・デラックス盤として、また折からのブームにより80年代サウンドに関心を寄せる若い世代にとっては、四半世紀を過ぎてもいまだにその魅力を失うことのないduran duranサウンドを通して、80年代という時代が有する普遍性の一端を垣間見ることができる1枚として、是非とも手元においておくことをおススメしたい。





rioのデラックス・エディションとlive at hammersmith '82が届いた。

rioはテープからCD、そして各年代ごとのライブ音源、12インチシングル等、それこそ数え切れないほど繰り返し聴いているし、live at hammersmithの映像も初めてというわけでもなければ、この頃の音源に至ってはFM等でも何度かオンエアされているので、duran duranにとって初のリイシュー・デラックス盤及び数少ないオフィシャル・ライブ映像というのに、驚くほど冷静に(特に12インチバージョンなどではウトウトしながら)聴いたり見たりした。


各種バージョン違いも、15年前ならば嬉々としてその違いを聴き分けようとしたはずだが、今となってはその差異に喜びを見出すことも難しい。アメリカ向けのリミックスについても、この強烈にキャッチーなメロディと彼等のルックスとMTV戦略があればアメリカ進出も時間の問題だったことを考えれば、果たして必要だったのかという思いのほうが強く、そもそもアーティスティックな面からではなく、あくまでも市場を意識したリミックスというのでは、資料としての価値はあっても音楽的な魅力には乏しいように思う。

創作の過程が窺えるlast chance on the stairway/my own way/new religion/like an angelのデモなどは非常に興味深く聴いたものの、当然ほかの曲も聴いてみたくなるわけで、duran duran初のリイシュー・デラックス盤を当初の発売予定の6月から3ヶ月待たされたことからしてもやはり少々物足りない。


とはいえ、それでもduran duran初の記念すべきリイシュー・デラックス盤には違いない。これが、来年前半に予定されているという1st/seven and the ragged tiger/notoriousのリイシュー・デラックス盤化へとつながると思えば、ここはそんな物足りなさもグッと飲み込まなければなるまい...。

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2009年09月22日

ついに、やっと、いまだ

rioのデラックス・エディションとlive at hammersmith '82がついに発売された。予約していたHMVでも「出荷準備中」と表示されている。

6月の発売予定から実に4回の発売延期を経ているために、さすがにもう大丈夫だろうと思いつつも、それは発売延期の亡霊にとりつかれてしまったduran duranのこと。「2度あることは3度ある」なんて世の常識をはるかに飛び越えてしまっているのだから、4度あることが5度あっても全然不思議でもなければ、かえって自然なくらいである。個人的にも「またrio」「何故rioばかり」という認識だったうえに、発売延期が重なり、せっかく明後日にも手元に届くというのに、すっかりファンとして一応押さえておく程度の盛り上がりに留まっている。

それよりも嬉しかったのは、rioのデラックス・エディションとlive at hammersmith '82のリリースを伝える記事の最後に

we’ve got some real treats coming your way with special editions of the first album, Seven And The Ragged Tiger and Notorious in the first half of next year.

という一文を見つけたこと。

まだどの程度確定しているのかも分からないし、発売延期のことを考えると「来年前半」の行はあまりあてにしてはいけないものの、とにかくやっとnotoriousまでリイシューが計画されているらしいというだけでも、遅々として進まなかったduran duranのリイシュー作業にあっては、一筋の希望の光ともいうべき嬉しい報せには違いない。ただ、同じく80年代の作品ながらbig thingが漏れている点は、いかにもこのレコード会社らしい中途半端な仕事ぶりではある。



こちらもまさに「やっと」という感じなのは、the killersにとって初のライブ DVD。live from the royal albert hallが11月9日に発売される。魅力的な特典映像のみならず、ライブCDも付属する。

Live From The Royal Albert Hall

Human
This Is Your Life
Somebody Told Me
For Reasons Unknown
The World We Live In
Joyride
I Can’t Stay
Bling (Confessions Of A King)
Shadowplay
Smile Like You Mean It
Losing Touch
Spaceman
A Dustland Fairytale
Sam’s Town (Acoustic)
Read My Mind
Mr. Brightside
All These Things That I’ve Done
Sweet Talk
This River Is Wild
Bones
Jenny Was A Friend Of Mine
When You Were Young

Bonus Features

BEHIND-THE-SCENES Documentary including interviews with crew and fans.
ALTERNATIVE ANGLES.

Bonus Festival Performances

Tranquilize(Oxegen Festival 2009)
Human(Hyde Park 2009)
Mr Brightside(Hyde Park 2009)
Smile Like You Mean It(V Festival 2009)
When You Were Young(V Festival 2009)

ファンにとっては待望久しいライブDVDだ。何しろこれほどの人気バンドが、(B-side集sawdustを含めると)アルバム4枚をリリースしていながら、いまだライブはおろかPV集さえもDVD作品として企画されていなかったのがおかしな話だったわけで、そういったファンの不満と熱望が反映されたかのような非常に充実した内容になっている。



そして同じタイミングで知ったちょっと嫌な報せが、the troubadoursの1stアルバム発売延期について。当初この9月に発売予定だったものが、来年へと大幅に延期されることになった。

理由については分からないものの、日本での発売から1年が経過していること、本国UKにおいて一時の新人ロック・バンド・ブームが下火になっていることを考慮すると、the troubadoursを取りまく状況があまりいいものではないことは容易に想像がつく。

ブリット・ポップ後遺症克服も可能なクオリティと底力が感じられるバンドだけに、何とか事態が好転することを祈りたい。

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2009年09月21日

愛の金字塔

welcome to the walk alone/the rumble strips、let's change the world with music/prefab sprout、the boy who knew too much/mika、この3枚の傑作に紛れ込んできたのが、「愛の金字塔」という曲。1981年から1982年にかけて放映されたロボットアニメ「六神合体ゴッドマーズ」のエンディング曲である。


ふと「ゴッドマーズ」のことを思い出したものの、当時好きだったはずのエンディング曲についてはどうしてもメロディが浮かんでこず、you tubeで発見して聴いてみたらやはりいい曲だったので、iTunes storeで購入し、件の3枚の傑作をとっかえひっかえ聴く合間に、この曲でさらにテンションが上がっているような次第。


いかにもなアニメ主題歌と言われればそれまでだが、ドラマティックで凛々しく、全編がフックといってもいいベタなメロディ、そんないかにもなアニメや特撮ものの主題歌の中にも名曲はたくさんある。個人的には、そこへさらに壮大で流麗なストリングス、スタジオ・ミュージシャンがここぞとばかりにテクニックをひけらかすファンキーなベースに端整なロック・ギター、そしてド派手なブラスが加わったりしたらもう堪らない。

基本ラインはマイナー調、サビでメジャーへ転じ最後には切ない余韻を残すこの「愛の金字塔」も、わかっちゃいるけどやめられない的な名曲である。


僕のiTunesでは他にも「ダンバインとぶ」「疾風ザブングル」「go tight」「宇宙戦艦ヤマト」「alive a life」の5曲が、抜群の再生回数を誇っている。

単純に曲がよく出来ていることはもちろんだが、僕にとってこういったアニメや特撮ものの主題歌は、特に勇気を奮い立たせてくれる存在である。いわば、即効性のある栄養ドリンクのようなもの。

そして、その即効性を裏づけるポップスとしての完成度の高さには、非常にプロフェッショナルな意識と高度なテクニック、そして豊かなイマジネーションが惜しげもなく注がれているわけで、似非ソウルや超軽量R&B、ステレオタイプな恋愛ものの歌詞による共感やフィーチャリングに頼らなければならないようなアーティストまがいの曲なんかより、はるかに耳を傾けるべき曲が多くあるのも当然なのである。




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2009年09月17日

待って安心

the rumble stripsのwelcome to the walk aloneは、完全にタイミングを逸したこともあり、気持も期待も少々冷め気味で、1300円という安さでもなければ聴かずに済ませかねないくらいだったし、実際に聴いてみるまではprefab sproutのlet's change the world with musicまでのつなぎくらいにしか考えていなかった。ところがその内容は、そんな失礼な考え方が申し訳ないほどに素晴らしいものだった。

一方その興奮冷めやらぬうちに届いた、prefab sproutのlet's change the world with musicは、こちらの期待に違わぬ極上のメロディのオンパレード。慈愛に満ち、美しさと気品に溢れ、まるでpaddy mcaloonの身体からそよそよと優しく吹く風の如くに、自然に聴くものの身体にも沁み込んでくる。落ち着いた雰囲気ながら、気がつけばアルバム1枚が終わっているほどに濃密でもある。


the rumble stripsに心躍らされ、prefab sproutにすっかり心奪われ、一緒に届いた7 worlds collideのthe sun came outについては、未だjohnny marrがメインのtoo blueとrun in the dust以外、集中して聴けないままだ。

そこへmikaのwe are goldenが届いてしまったものだから、いよいよ収集がつかないような状態になってきた。the rumble stripsに心躍らされ、prefab sproutに心奪われ...、ではmikaについては何と表現したらいいのか...。もはやその素晴らしさを表現する言葉が、そもそも貧困な僕の語彙の中には見当たらない。


もちろんこれまでも楽しみなアルバム・リリースが続いたことはあったし、当然この9月がprefab sproutとmikaの新作により、「幸せすぎて怖い」状態になることも予想していたとはいえ、そこにthe rumble stripsと7 worlds collideまで加わり、しかもそのいずれも素晴らしい内容となれば、それはまさに前代未聞の事態である。


こうなると、一刻でも早く聴きたいはずのrobbie williamsの新作、reality killed the video starのリリースが、かえって11月で良かったと思ってしまう。もし仮に9月下旬や10月上旬あたりのリリースだったりしたら、あまりに幸せすぎて、きっと何か他に良くないことが起きそうな不安に駆られていたに違いない。
posted by atons at 20:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月16日

the boy who knew too much/mika

2ndアルバムには外からも内からもプレッシャーがかかり、自然と肩に力が入るもの。まだまだこんなものじゃないと虚勢を張り、奇を衒い、あちこちへと手を伸ばすうちに、本来の自分を見失うか、それを恐れるあまり新たな可能性へと踏み出せず、1stの習作にとどまるか。いわば、飛び道具を使うか、それとも懐手のまま引き返すか。2ndアルバムの高い壁を越えるには、その2通りが主流になっている。

最も単純かつ正攻法と思われる「自分らしくベストをつくす」という正面突破が回避されがちなのは、無論それが2ndアルバムのことさら高い壁を乗り越えるにはあまりに心許なく、ゆえに最も困難な方法と考えられているからに違いない。


mikaのthe boy who knew too muchがとにかく素晴らしく感じられるのは、その最も難しい正面突破により、2ndアルバムの高い壁を鮮やかに超えてしまったからである。

確かに随所に新しい試みも聴かれるのだが、基本はやはりmikaらしい、mikaにしか成し得ない極彩色ポップ、余計な力みなどとは無縁の仕上がり。かといって、決して1stの習作レベルに留まっていないことは、1曲目のwe are goldenからしてすでに明らかである。

グルーヴは強靭になり、一音一音が飛び跳ねるが如くにポップだったサウンドは、一音という単位を超えた微細なレベルでポップにキラキラにビルドアップされている。メロディはより美しく切なくポップにその表現の幅を格段に広げ、そしてそれを可能にしているのは、さらに高く衝き抜けさらに深く心の奥底にまで響き渡るに至った、チャーミングにして多分にエモーショナルな歌声であることは言うまでもないだろう。


飛び道具を使って無理やりこじ開けた、一見すると目覚ましい成長を遂げたかのように映る2ndアルバムがもてはやされるこのご時勢には、こういったごく自然で無理なく着実な成長を遂げた2ndアルバムは、壁を超えずに引き返したタイプと勘違いされがちである。

しかし、それは小手先のギミックやそれにともなう大袈裟な宣伝文句に踊らされることに慣れてしまった我々の側の問題だ。


自分のやりたいこと、やるべきことを明確に意識し、その元に存分に力を注ぎ、見事に発揮することこそ本当の成長であり、そしてそれは美しく感動的で、mikaに限っては最高にポップであるということを、我々はこのthe boy who knew too muchによって思い知らされるのである。
posted by atons at 22:36| Comment(2) | TrackBack(0) | レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする