2010年01月29日

ビタミン波止場

先日、久しぶりにテレビで放送されていた映画「波止場(on the waterfront)」を観た。おそらく15年ぶりくらいだと思う。そして、marlon brandoのかっこよさおよび存在感に圧倒されつつ、ふとwaterfrontというデュオを思い出したのは、実に20年ぶりのことである。


イギリスだけでなくアメリカでもヒットしたcryのサビしか記憶に残っていなかったのだが、思い出してみると無性に聴きたくなり、ためしにiTunes storeで検索してみたら、たった1枚nature of loveというミニ・アルバムが見つかり、その中にcryもリミックスとともに収録されていた。

cryは80年代後半ポップスの成熟期らしい、きっちりと作られたポップス。あまりに普通にいい曲なので、20年間思い出すことがなかったのもやむを得ないという感じもするし、派手さもないいわゆる良質なポップスが、当時アメリカで9位のヒットを記録していたという事実には、現在の音楽シーンからすれば20年では足りないほど遥か昔のようにも感じ、曲そのものよりもその懸隔にしみじみとしてしまった。


wikipedeiaによると、waterfrontも御多分に洩れず2007年に再結成を果たしており、ニュー・アルバムのレコーディングも進行中、myspaceでは新曲4曲も披露されている。アコースティックにとどまらず、すっかりカントリーに趣を変えてしまったのには少々驚いたものの、valenteine's dayという曲などはかなりいい出来だと思う。




そんな流れで「さすがにこれはないだろう」とおもむろに検索してみたのがvitamin z。アルバムrites of passageが見つかった。

見つかったものの、正直なところvitamin zについてはその名前しか知らない。80年代当時、音楽雑誌の広告ページで目にしただけで、もちろん曲を聴いたこともなかった。

中学校のひとつ上の先輩がアルバムを持っているという話を聞いて、うらやましいとかちょっと聴いてみたいと思う間もなく「よく買ったなぁ」という呆れ混じりの驚きが先行したことを思い出す。それは、まだculture clubとduran duranくらいしか知らない中学生のいかにもな偏見に過ぎなかったわけだが、初めてその音を聴いてみても、改めて「よく買ったなぁ」と思う。ただし今回は音楽雑誌がほとんど唯一の情報源で、必然的にそれに踊らされることも免れなかった当時を知る仲間としての同情混じりの「よく買ったなぁ」である。


今となっては、vitamin zのアルバムよりも、ボーカルのgeoff barradaleが、同郷sheffieldのarctic monkeysのマネージャーを務めているというトリビアのほうが有難い。
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2010年01月28日

how do you rate the morning sun

reality killed the video starからの3枚目のシングルがmorning sunに決まった。リリースは3月8日、Sport Reliefというチャリティ・イベントのいわゆるテーマ曲として、売り上げの一部が寄付される。


robbie williamsからすれば、3枚目にしていよいよエースを切るという感じであり、ファンにとってもまさに待望のシングル・カットということになる。もっと言えば、ファンならずともアルバムreality killed the video starを聴いた人なら誰でも、この美しさが滴り落ちるがごとき強力なバラードがシングル・カットもされずアルバム中の1曲にとどまっていることに違和感を抱かざるを得なかったはずだ。

つまり、単にアルバムからの3枚目のシングルというだけではなく、morning sunという名曲がやっとそれに見合う扱いを受け、本来あるべき場所に納まるような意味合いを持ち、必然的にそれはアルバムreality killed the video starの魅力を再認識する機会にもつながるだろう。



ファンにとってこの流れは、言うまでもなく1stアルバムlife thru a lensからの4枚目のシングルでありながら、まさに起死回生の大ヒットとなったangelsを彷彿とさせる。

life thru a lensを聴いた誰しもが、angelsに状況を一変させるであろうパワーを感じ取り、(4枚目のシングル・カットに対する)遅きに失した感をものともせず、ついにそれが現実となっていった時の興奮と感動を、今回のmorning sunのシングル・カットに際し、どうしても想起せずにはいられない。



リリース時に僅差で2位にとどまったために、robbie williams史上唯一チャート1位を逃したオリジナル・アルバムとなったreality killed the video starだが、それはあくまでもmorning sunがシングル・カットされるまでの話に違いなく、robbie williamsのド派手な帰還もmorning sunとともにいよいよ大団円を迎えることになるのである。


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2010年01月26日

marti pellow on tour with george benson

昨年秋ごろから長らく準備中だったmarti pellowの新しいオフィシャル・サイトが、今年に入り正式にオープン。

ミュージカルを含むソロキャリアを網羅した充実の内容を堪能しつつも、わざわざ新しいサイトを立ち上げておいて何も新しい動きがないというのもありえないと思い頻繁にチェックしていたら、先週末のブログにて「月曜日にエキサイティングなお知らせ」のメッセージ。

「もしかして新しいソロ・アルバムか」といきり立ったものの、ミュージカルに忙しくまたwet wet wetの新作も曲がりなりにも進行中なはずで、考えてみればソロ・アルバムに充てられる時間は残っていない。そうなるとジャズ仕様のライブあたりが妥当なところだろうとあまり期待せずにメーリング・リストに登録しておいたら、たしかにライブの知らせには違いないのだが、その内容はまさにエキサイティングなものだった。


We are delighted to announce that Marti will be sharing the bill with the world renowned George Benson for 7 outstanding nights of entertainment. Both will be performing their shows in Arenas across the UK from 28th May to 4th June. Please go to the Performance area to see tour details and clink on the link here for Pre-Sale tickets!


george bensonとの共演、しかもアリーナ・ツアーという豪華な内容。無論、実際にそのステージを目の当たりにすることはか叶わないものの、これほど豪華なライブとなれば当然DVD化も期待でき、英国屈指のボーカリストが、ソロキャリア10周年を目前にソロとして初のライブ音源をリリースするということになれば、日本のファンも決して蚊帳の外というわけではない。

wet wet wetの新作が遅れてしまうのは残念だが、george bensonとの共演はきっと話題にも評判にもなり、結果的にwet wet wetの新作にもいい影響をもたらすことになるだろうと思う。

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2010年01月25日

パッとしない時のロビー頼み

the killersが2月の来日公演を含むアジア・ツアーのキャンセルを発表した。一時活動休止が伝えられる中での、しかも直前のキャンセルということで、参加できない哀れなファンをしてもこれは少々心配なニュースだ。

このタイミングでのキャンセルは、普通に考えればメンバーの疲労またはバンド内の人間関係がのっぴきならない状態にあることも意味するわけで、必然的に一時活動休止も文字どおりに受け止めていいものかどうかという話にならざるを得ない。

オフィシャル・サイト等には“due to unforeseen circumstances involving a serious illness of a close family member”というキャンセルの理由も掲載されている。これがもっともらしい言い訳である可能性は十分にあり得るが、事実であればやむをえないことだし、仮に事実ではないとしても、今回ばかりは「いまさら2008年のアルバムを携えて、大して人気もない国の小さな会場で演奏する意味はない」という彼らにしては真っ当な、日本のファンにとっては残念な、そんな理由であってほしいとも思う。キャンセルにより実害を被ったファンには大いに同情するが、the killersの今後のことを考えれば、結果的にはファンにとってもそのほうが安心だ。




それにしても年明けから、arcadiaスペシャル・エディションの延期、morrisseyはマネジメントとの契約終了、そしてthe killersの一時活動休止と、特に好きなアーティストについてパッとしないニュースが続く。

そのせいで、sadeのsoldiers of love、gorillazのシングルstylo(飄々としたテクノサウンドをbobby womackのディープ・ソウルなうなり声が劈く刺激的な快作)、gabriella cilmiの2ndアルバムten(ちなみにon a missionのユニークかつセクシーなPVは、duran duranの名前の由来でもある映画barbarellaにインスパイアされているらしい)など、楽しみな新作も控えてはいるものの、どうもいまひとつ気分が盛り上がってこなかったのだが、そんなときに頼りになるのがやはりrobbie williams。


2月16日のBRIT AWARDSでの功労賞受賞(最優秀ブリティッシュ男性ソロ・アーティスト部門でもノミネート)が決定しているわけだが、昨年の功労賞を受賞したpet shop boysによる、the killersのbrandonとlady gagaをフィーチャーしたbrits medley(この時の映像が2月15日発売のpet shop boysのliveDVD(+CD)pandemoniumについに収録される)も記憶に新しく、robbieのステージもきっとスペシャルなものになるに違いない。

今年初の期待に胸を膨らましつつ、reality killed the video starの再生回数が増すばかりである。


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2010年01月24日

話半分以下

arcadiaのso red the roseスペシャル・エディションが4月(12日)に延期され、その後も1stとseven & the ragged tigerについての具体的なリリース予定が聞こえてくることもなく、war child企画のdavid bowieカバー・アルバムでboys keep swingingをカバーするというニュースがちょっと楽しみなくらいで、リイシューにしろニュー・アルバムにしろ、個人的にはなんとなく不穏な空気も感じていたduran duran周辺。


ところが、ここへ来てduran duranとspandau balletが今年のグラストンベリー・フェスティヴァルに出演するという噂を目にした。


duran duranとspandau ballet、すでに四半世紀以上前のこととはいえ、アイドル・バンドとして特に気難しいメディアからは虐げられてきた両バンドと、グラストンベリー・フェスティヴァルというのは意外を通り越して、ほとんどありえない組み合わせのような気もするのだが、過去にはrobbie williamsも会場を沸かせ、病気のためにかなわなかったもののkylie minogueがヘッドライナーに予定されていたこともあるし、2008年のjay-zの例もあれば、その敷居はどんどん低くなり、間口もだいぶ大きく開けてきたようで、決してありえない話ではないのかもしれない。

さらに、spandau balletの再結成ツアーも大盛況、duran duranもmark ronsonプロデュースによる80年代テイストの新作が(おそらく)リリース直前、そしてまだまだ続く80年代ブームと追い風も吹いている。

実現すれば、duran duranにとってはまたとない再浮上のチャンスであり、ぜひともその辺の日程も考慮したうえでニュー・アルバムのリリースを調整してもらいたいところ。間違っても、red carpet massacreリリース前の、live8のようにみすみす新作をアピールするチャンスをふいにするようなことはしないでもらいたい。



また、これも正式な発表ではないものの(といってもduran duranの場合、正式な発表自体が流動的なのだが...)、1stとseven & the ragged tigerのスペシャル・エディションのリリースが3月15日、そしてnotoriousと一緒に、何とbig thingのスペシャル・エディションのリリースが4月に予定されているらしい。

big thingのスペシャル・エディションが本当ならば、これほど嬉しいことはないのだが、何しろ4月までにarcadiaを含め5枚のスペシャル・エディションがリリースされるというのは、duran duranがグラストンベリーに出演する以上にありえない話のような気もする。

posted by atons at 17:34| Comment(0) | TrackBack(0) | duran duran | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年01月22日

don't know why

ここ数日テレビでnorah jonesをよく見かける。今日のミュージック・ステーションにも出演するらしい。

生歌を聴けば相変わらず優しく温かい歌声で、チャーミングで親しみやすい雰囲気を含め、その人気ぶりも大いに頷ける。よりポップ色を強めた最新作the fallは、いかにも僕好みな内容だった。


それなのに僕はnorah jonesをまともに聴くことができない。

norah jonesの優しく温かい歌声のそのすぐ後ろに、それとは対極の寒々しい記憶が広がっていて、そこからすぐに逃げ出さずにはいられない。

彼女の名を世に知らしめたdon't know why。

連日のようにラジオから流れていたその曲は、奇しくもわが人生最悪の時のBGMとなり、気がつくとnorah jonesとdon't know whyとその寒々しい記憶がワンセットになっていた。


そんな状況に陥ったそれらしい理由を並べることはできても、「なぜ?」という問いには、いまだにどうしても明確な答えが用意できずに口ごもる。


だから僕はnorah jonesを聴くことができない。

posted by atons at 17:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年01月20日

ひと休み

the killersが今回のツアー終了後、一時活動休止することを発表した。

しかし、これは決して悪いニュースではない。解散ではなく活動休止であるし、ファンならばこのタイミングでの長期休暇は自然の流れのように感じるはず。個人的にもたっぷり休養してもらいたいと思う。

だってどう考えても働きすぎだ。


2004年のhot fussに始まり、2006年のsam's town、Bサイド集とはいえほとんどニュー・アルバムといっていい内容だった2007年のsawdust、そして2008年のday & age。考えてみれば2006年から1年に1枚という超ハイペースでアルバムをリリースしており、実際day & ageリリースの知らせを耳にしたときには、いったいいつの間にレコーディングしていたのかと驚かされた。

しかもそれがとんでもなく素晴らしいアルバムで、その後もプロモーションにツアーにフェスティヴァル、さらに2009年だけでも、映画new moonに提供したa white demon love songに、hotel cariforniaのカバー、年末にはlive from the royal albert hallのDVD、そして律儀に4年連続のリリースとなった恒例のクリスマス・ソングhappy birthday guadalupeと、まるで日本のアイドル並みの働きぶりだ。

しかもクリエイティヴな面は丸投げして時々口を挟んでいればいい出来合いのアーティストとはわけが違うのだから、その肉体のみならず精神的な消耗は想像を絶するものがある。


duran duranのおかげで3年のインターバルも長く感じないようになってしまったことが影響しているとはいえ、やはりアーティストのイマジネーションやクリエイティヴィティを第一に考えれば、勤勉にして充実の仕事ぶりもただただ喜んでいるわけにはいかない。rudeboxリリース後に3年間の長期休暇に入ったrobbie williams同様、the killersもここらへんでしっかり骨休めをしてもらったほうが、ファンとしてはよほど安心だ。

また、オリジナル・アルバム3作でUKチャート1位を記録したバンドが数年休んだところで忘れ去られるはずもなく、かえってこのまま活動を続けることで世間がその有難味を忘れてしまうおそれもあれば、このタイミングでの活動休止は、実に正しく賢い選択といえるのである。


本来ならばthe killersの爪の垢を煎じてduran duranに飲んでもらいたいところなのだが、今回ばかりは働きすぎのthe killersに、ほんのちょっとだけduran duranの超マイペースを見習ってもらいたいと思う。
posted by atons at 19:45| Comment(0) | TrackBack(0) | the killers | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年01月18日

今さらの1位

meat is murderの発売25周年にhow soon is now?をチャートNO.1にしようというキャンペーンが始まっている。クリスマス・チャートのアンチX-factorキャンペーンに続き、今回はgirls aloudの1位を阻止する意図もあるらしい。


meat is murderのリリース25周年に、how soon is now?がthe smiths初のNO.1シングルになると考えれば悪くない話だが、それがキャンペーン主導によるもので、しかもmorrisseyもjohnny marrもまだ現役バリバリで活躍しているにもかかわらず、25年前の曲が1位になるのだとと考えてみると何だか釈然としない。あまりうれしくない。how soon is now?にとどまらずthe smithsの曲はいずれも、今さらNO.1という称号を必要としないほどに、とっくにそれ以上の価値を有しているのだから、girls aloudの対抗馬として担ぎ出されるのはかえってケチがついた気さえする。


girls aloudをはじめとする作られたポップスターが幅を利かせる、現在の音楽シーンに警鐘を鳴らす意図にしても、ポップ・チャートは基本的には若い世代のものであり、上の世代や生真面目な聴き手からすれば顔をしかめざるを得ないものであり、いくら音楽シーンの現状を憂えばこそのキャンペーンであっても、若い世代からすれば大きなお世話、単なる老婆心でしかない。

そしてクリスマスのアンチX-factorキャンペーン同様、音楽をないがしろにする音楽シーンを批判するキャンペーンが、実は音楽をないがしろにするという矛盾も抱えざるを得ない。それは、相手がgirls aloudだとしてもである(とはいえアルバムout of controlではjohnny marrもハーモニカを吹いているのだが)。


新しい才能や、years of refusalを1位に押し上げようとするならまだしも、25年前の名曲を持ち出すという安易さ、古いものを善しとする姿勢もどうかと思う。それはいかにも小手先で、それゆえにほんの一時的な話題作りにしかならず、無論音楽シーンにはこれといった影響を与えることもできず、結局得するのは音楽業界とメディアばかり。踊らされたむなしさに気づくことができればまだましなほうである。

それに、how soon is nowが1位になれるならば、たとえばi'm throwing my arms around parisの21位は不自然に低い数字というべきで、そういう意味では年代ものに固執するのも、作られたアイドルに熱を上げることもそう変わりははない。それがthe smithsのhow soon is nowだとしてもである。



ろくでもないポップ・チャートだからこそ、years of refusalのようなアルバムがまれに3位になったりするのがかえって痛快だったりもするわけで、それに比べればキャンペーン主導のチャートなんてつまらない。順位など成り行きに任せて、好きな曲聴きたい曲を好きな時にダウンロードすればいい。

posted by atons at 19:56| Comment(0) | TrackBack(0) | morrissey | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年01月17日

人間国宝かっ! live in london/george michael (2009年を振り返る[18])

キャリア初となるライブ映像作品、収録曲中の最新曲が3年前。いくら80年代イギリスが生んだ至宝とはいえ、その存在自体が国宝の御開帳のように、数年に1度しかお目にかかれないようでは困る。まさに宝の持ち腐れである。

並みの才能なら、数年活動休止しただけでたちまち色あせてしまうもの。表舞台で歌わない時間のほうが長いにも関わらず、これだけの歌声と技量が維持されているのは、それだけ特別な才能であり、彼が選ばれた人間だからに違いない。

しかもその歌声のみならず、コンポーザーとしても類稀なる才能を有しているのだから、そのどちらにも恵まれない凡人からすれば、george michaelのスタンスはただただ才能の浪費のようにしか思えない。無論、天才ゆえのこだわりや苦悩もあるだろうし、それ以前にクリエイティヴな活動を妨げる要因も多々あったわけだが、それでももうそろそろ音楽に邁進してもいいころだ。

したがって圧巻の歌声を聴くことが出来る素晴らしいDVDではあるが、その点においては圧倒的に物足りない。本来ならば25周年記念だからといって、今さらcareless whisperなど歌っていてはいけない人なのである。



「至宝」

英国の至宝の異名に違わぬ素晴らしいパフォーマンス。バラードにR&Bにポップにジャズまで、美しく繊細かつセクシーでソウルフルでファンキーな歌声そのものの魅力に加え、圧倒的な技量で聴かせることができるアーティストはやはり彼を置いてほかにいない。

過去のPV等を効果的に用いた巨大スクリーンによる華やかな演出、shoot the dogでの悪ノリにoutsideでの自虐的ユーモアなど、視覚的にも十分に楽しめるのだが、たった一人イスに腰掛けて歌うyou have been lovedやa different cornerの迫力には及ばない。


特に圧巻なのは、older以降の曲を中心に構成された後半部のspinning the wheelからoutsideまでの流れ、そしてdisc2に収録のボーナストラックの3曲(precious box/jesus to a child/first time ever)。


考えてみれば、careless whisperは四半世紀以上前の曲だし、1st及び2ndアルバムも20年以上前の作品である。より最近の曲のほうが本人にとってもしっくり来るだろうし、ファンにとってもヴィヴィッドに聴こえるのも当然のこと。

しかし、最近の作品といってもptienceからは5年、最新曲an easier affairからもすでに3年が経過しているのも事実であり、ゆえにこの素晴らしいライブ映像も、ボーカリストとしてのいまだ変わらぬ魅力こそ十分に捉えているものの、英国を代表するボーカリストであるとともに稀代のコンポーザーでもあるgeorge michaelの姿を余すことなく伝えるにはどうしても事欠かざるを得ない点はやはり物足りなく感じられる。


これほど素晴らしいパフォーマンスを目の当たりにして不満を口にするのは心苦しくもあるが、それでも彼はもっと曲を作り、もっと歌わなければならない人だと思う。この素晴らしいDVDがそう思わせるのだから仕方ない。

posted by atons at 18:04| Comment(0) | TrackBack(0) | レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年01月16日

お年玉

久しぶりにbreatheのhands to heavenを聴いていたら、最近になって手を出したiTunesのgeniusに、how can i fall?やdon't tell me lies、そしてsay a prayerまで表示され、半信半疑のままiTunes storeを覗くと、ベストにall that jazz(1st)にpeace of mind(2nd)まで見つかった。

大して有難くもないミックスとすでに持っている曲しか教えてくれない役立たず、完全に名前負けだな、などと馬鹿にしていたgeniusだが、初めてその名前にふさわしい仕事をしてくれた。


少なくとも昨年の秋ごろまでは、オムニバス・アルバムに収録されたhands to heavenしかなかったはずで、突然の何の脈絡も無い追加には相変わらず驚かされるばかりだが、とにかく80年代後期ポップスの成熟期の名作がこうして簡単に入手できるようになったのは非常に喜ばしく、長らく入手困難だったために、隠れた名曲どころかその存在自体忘れ去られがちであったことを歯痒く思っていたファンにとっても、遅れてきたお年玉といった感じである。


best of breathe
http://itunes.apple.com/jp/album/best-of-breathe/id331817550

all that jazz
http://itunes.apple.com/jp/album/all-that-jazz/id329840182

peace of mind
http://itunes.apple.com/jp/album/peace-of-mind/id344862709



ただ、iTunes storeについては、せめてリクエストしたユーザーにはその作品の追加を知らせるようなシステムがあってもいいと思うし、geniusにしても、人気曲やユーザーの傾向から割り出した参考にならないおススメ曲よりも、お気に入りアーティストの最新の追加情報を表示してもらったほうがもっとgeniusになれると思う。



posted by atons at 20:08| Comment(2) | TrackBack(0) | 80年代後半 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする