2011年03月30日

11位に思う

まず何よりも作品そのものの魅力ありきではあるけれど、iTunes store限定先行配信に始まり、iTunes storeチャート1位の評判が加わり、その勢いに乗るようにして完全盤リリースまでの3ヵ月間がプロモーション期間として有効に機能し、全ての歯車がうまくかみ合ったという感じがするall you need is nowのUKチャート初登場11位。

red carpet massacreと同じ轍を踏むことなく、メジャーに頼らず時代に即した柔軟な戦略でこうして素晴らしい結果がもたらされたことはそれ自体に大きな意義もあり今後にもつながっていくだろう。


一方で「原点回帰」「80年代回帰」「1st/rio/seven and the ragged tigerを思わせる」といった分かりやすく耳目を引きやすい文句も大きく影響しているものと思われる。長いキャリアを有するアーティストにとって、それはここぞという時に用いられる伝家の宝刀みたいなもの、かつてのファンはそれによっていともたやすく戻ってくる。実際今作all you need is nowは潔いほどに徹底的に露骨に80年代初期に回帰している。随所に現代的な感覚も見え隠れするなどと言えないこともないがそれはあまりに本筋から離れた瑣末な点でしかなく、僕のように新作ごとに新局面を打ち出してくるのがduran duranであるというファンのもはや錯覚や幻聴、好意的に重箱の隅をつついてみるのと同じことなどと言われても仕方ない程度に留まる。ゆえに正直言えばduran duranの次の一手を固唾を呑んで見守ってきたファンにとっては新しい刺激に乏しく、例えばred carpet massacre支持した立場としては肩身の狭いようなところもないではない。「80年代そのまんまではないか」という心無くまたやむを得ない冷やかしも聞かれるに違いない。

しかしながら、新しい刺激の乏しさを補って余りあるほどにduran duranらしさに溢れ、安易な80年代回帰という批判が大きく的外れに感じられるほどにヴィヴィッドなヴァイヴが放たれているのも紛うことなき事実。同様に「duran duranはやっぱりこうでなくちゃ」といった軽々しい物言いもまた憚られるほどに、30年のキャリアに裏付けられた、満を持して相当の覚悟を持って成された80年代回帰という感じがする。

そういう意味では、自らのスタイルを貫こうとするあまり、30年のキャリアにはすでに当然の選択肢としてあったはずの80年代回帰へのきっかけを見失いつつあったduran duranに、(もしかしたらその端緒はred carpet massacreの失敗だったかもしれないが...)80年代回帰をついに思い切らせ、むしろ80年代のduran duranよりも80年代を濃厚に感じさせつつ、しかしそれに負けじとduran duranであり強烈に現在でもあるというサウンドへと導いたmark rosnonの存在こそ、やはり今回の成功をもたらした最大の要因といえるのかもしれない。


80年代サウンドを取り入れた昨今のバンドや早々に伝家の宝刀を抜いてしまう再結成バンドでは決して作りえないall you need is nowは、back to rootsくらいで捉えきれるものでもなく、一回りした結果変革がもたらされるという意味におけるrevolutionほど大それたものではないにしても、80年代をグッと現代に引き寄せ、もはやそれ自体回顧ブームの最後尾へと回るはずのタイミングだった80's revivalを単なる回顧趣味から奪い返し、この期に及んで見事にreviveさせ本来の意味を回復させてしまったインパクトは決して小さいものではなかった。それが今回のチャートで証明されたのだと思う。
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2011年03月29日

ブリット・ポップの終焉

the bluetonesが今年秋のツアーを最後に解散することを発表した。ブリット・ポップ期の多くのバンドが解散を経て今や再結成を果たし、90年代及びブリット・ポップ再びの気運も高まりつつある中、数少ない現役バンドであったthe bluetonesがその活動に終止符を打つというのはもちろん寂しさもあるけれど、いかにもこのバンドらしいマイペースぶりだなと妙に納得し、またほのかに暖かな気持ちにもさせられる。


僕は決して熱心なファンとはいえず、購入していないアルバムもあればmark morrissのソロにいたっては手つかずのまま、今回の解散の報せも久しぶりに覗いた(今どき)myspace経由だった。しかしながら特にmarblehead johnson/keep the home fires burning/after hoursの3曲は(ブリット・ポップ期のバンドの曲としては驚くほどの頻度で)いまだによく聴く大好きな曲であるし、何といってもブリット・ポップをリアルタイムで体験した世代にとって、デビュー・アルバムexpecting to flyでoasisの(what's the story) morning glory?を蹴落として華々しく1位を獲得した彼等こそ、ブリット・ポップの隆盛を鮮烈に印象づけた忘れがたい存在に違いない。


さらにブリット・ポップを象徴するバンドでありながらその狂騒に飲み込まれスポイルされてしまうことなく、とにかくいい曲を中心に据え緩やかにしかし着実にアルバムごとに音楽性の幅を広げていったことで、振り返ってみると若気の至り的な苦々しさも多くつきまとうブリット・ポップの記憶を浄化するような、もっと言えばメディアに煽られ最後には形骸化してしまったムーヴメントから、そこに確かにあった音楽そのものの素晴らしさだけを取り戻すような役目さえ果たしていたのではないか...と今になって思う。


結果的にoasisの終焉とblurの再始動を見届けてからの解散になったのも単なる偶然というよりは、ムーヴメントとして片付けられる前のもしかしたらブリット・ポップと明確に意識される前のブリット・ポップを体現し、そのまま気負いなく衒いなく活動を続けることができたthe bluetonesゆえの必然のように思えてならない。ムーヴメントとしては90年代にあっけなく終わってしまったものの、ブリット・ポップそのものの終わりはthe bluetonesの活動終了を待たねばならなかったのである。
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2011年03月28日

all you need is now初登場11位

最新のUKアルバム・チャート。duran duranのall you need is nowは11位に初登場。2004年のastronaut(3位)以来となる7年ぶりのトップ20入り。

惜しくもトップ10入りは逃したものの、メジャー・レーベルに頼らず、例えば80年代バンドにありがちな再結成などの話題性もなく、さらに(それがプロモーションとして奏功した面があるとはいえ)アルバムのほとんどを先行配信してしまった3ヵ月後のリリース、といったあまりスタートダッシュを期待できないような条件のもとで、前作red carpet massacreの(あくまでもセールス面での)大失敗(44位)をものともせずにトップ10に肉薄したのだと考えればこれは大健闘、素直に喜んでいい11位だろう。

メジャー・レーベルほどのプロモーションは叶わなかったわけだから、当然今回のチャート・インでその評判を聞きつけて購入に到る人も多いはず、来週以降順位を上げる可能性も十分にある。またリリース直前プロモーションの一環として精力的にライブをこなしその模様がオンエアされたこともあり、ベスト・アルバムgreatestが37位に再登場、それもきっと追い風となるに違いない。またアメリカでもかなり好調のようで、もしかしたらUKチャートよりもいい位置につけるかもしれない。



cage the elephantのthank you happy birthdayは26位に初登場。1stよりは順位を上げたものの、アメリカでのリリースから3ヵ月遅れがかえって裏目に出て全米初登場2位の勢いが減じられてしまったのは少々残念。human leagueのcredoは10年ぶりのアルバムにも関わらず44位。単純に比較はできないものの、やはりインディーズからのリリースでチャート上位に割ってはいるのは至難の業、改めてduran duranはよくやったと思う。


そして今週のadele。アルバム“21”が9週連続1位。2位には食い込んでくるだろうと思われたthe strokesのanglesも1stアルバム“19”にすら及ばず、あっさりと3度目の1位2位独占。すでに先週の8週連続1位の時点で2005年のback to bedlam/james bluntに並び、それを更新しての9週連続は女性ソロ・アーティストとしてmadonnaのベスト盤the immaculate collection(1990年リリース)に並ぶ大記録ということになるらしい。シングル・チャートにおいても、4週連続1位の後、先週2位にダウンしたsomeone like youが再び1位。これでシングル・アルバム制覇は5度目。ちなみにrolling in the deepもまだ9位に留まっている。

あまりにも記録尽くし、それも今後さらに更新されていきそうなので、いま一度今回のadeleの快進撃についてまとめてみると...、発売2日で10万枚、1週間で20万枚以上を売り、1月リリースのアルバムとしてはarctic monkeysのデビュー・アルバムwhatever people say i am that's what i'm notが記録した36万枚に次ぐ大きな数字を記録とともに初登場1位。と同時に1stアルバム“19”が4位に再浮上。1999年にthe corrsがtalk on cornersとforgiven not forgottenで1位と2位を記録して以来12年ぶりとなる「トップ5内にアルバム2枚そのうち1枚が1位」状態に。“21”が4週連続1位を更新する頃には、2ndシングルsomeone like youの初登場1位によって、「シングル・アルバム両チャートにおいてトップ5内に同時に2作品ずつランクイン」という1964年のthe beatles以来となる快挙も達成。また現在までに32万ダウンロード(lady gagaのthe fameが2年を費やした数字を2ヶ月で更新)、発売から8週連続10万枚超セールスという、いずれもUK音楽至上初となる記録も追加されている。

ただ記録尽くしでつい見落としがちではあるけれど、どのアーティストにとっても険しく高い壁であるはずの2ndアルバムで、adeleがこれを成し遂げてしまったことこそが実はどんな記録よりも凄い思う。




こちらはyoutubeで見つけた素晴らしきordinary world。

Damian 'n' Papa - Ordinary World
http://www.youtube.com/watch?v=cjBP5a0fLGY
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2011年03月27日

all you need is nowができるまで

2009年
duran duranがred carpet massacreに続く通算13枚目のアルバム製作のために、mark ronsonをプロデューサーに迎えスタジオに入ったと伝えられたのが2009年3月。先日リリースされたばかりのall you need is now完全盤から振り返るとちょうど2年前のこと。すでに2008年7月2日にパリで行われたライブ・イベント“Smirnoff Unites Music Titans for Unique Live Event:Duran Duran vs. Mark Ronson and More”における相思相愛ぶりからもそれはごく自然な流れのように感じられた。今や定番となったbond medley/a view to a killもこの際に初披露されたものである。

翌4月には、「夏のライブで新曲披露、秋にはシングル、そして2010年1月から3月あたりにはアルバムも...」なんていう噂も囁かれるようになり、しかもその発信元が最も信頼に足るはずのかつて「男は黙って16ビート」と言われたroger taylorであり、さらに程無くして5月にはオフィシャルのyoutubeチャンネルに、mark ronsonとnick hodgsonとのレコーディングの様子がアップされ、rioの替え歌ronsonも披露されたりするものだから、今となってはduran duranファンとして迂闊の誹りは免れないものの、どうしても期待せずにはいられない状況でもあった。それをダメ押しすることになったのが、2009年6月9日のBARKSの記事。

「デュラン・デュラン、これまでの最高傑作が完成間近」2009-06-09 BARKS

「デュラン・デュランの13枚目のスタジオ・アルバムが完成間近だそうだ。プロデューサーによると『これまでの最高傑作』になるという。そのプロデューサーというのは、エイミー・ワインハウスやリリー・アレンの作品でお馴染み、エイミーの作品でグラミー・アワーズのプロデューサー・オブ・ザ・イヤー(2008年)を受賞したマーク・ロンソン。ずっとデュラン・デュランのファンだったという彼は、アルバムの出来に大満足している。ロンソンはBBC 6ミュージックにこう話した。『彼らの最高傑作だと思う。誰かの機嫌を損ねるつもりはないけど・・・、この20年間で最高のものだよ』『14くらい素晴らしいトラックがある。すごく興奮してるよ』サウンドは『すごく80'Sで・・・、マイアミ・バイスみたいだ。でも、いい意味でね』だという。2007年の『Red Carpet Massacre』以来となるデュラン・デュランの新作は、年内のリリースを予定しているという。」

この記事によって、早ければアメリカ5箇所を回るミニ・ツアーで遅くともduran duranがヘッドライナーを務めるloveboxで、つまり7月中には新曲が披露されると信じきってしまったのだが、結局はarcadiaのelection dayが久しぶりにセットリストに加わっただけで、新曲披露は夏の夜の夢と消える。

その後2010年にかけて続く怒涛のリイシュー・デラックス盤化のさきがけとなるrioがリリースされる一方で、2009年10月にはついにmark ronsonがラジオ番組でduran duranの新作からの音源をほんの少しだけ披露(http://www.youtube.com/watch?v=958DRJ74qqg)。まだデモ段階のその2曲は、のちのgirl panic!とsafe。

しかし、「夏には新曲披露、秋にはシングル(年明け早々にもアルバム)」だったはずの2009年に聴くことができたのはその2曲のわずかな断片のみだった。


2010年
年が明けて2010年、それでもまぁスタジオ入りから1年近くが経過していることだし、レコーディングも佳境に入っているに違いないと思われた2月末。duran duran来日しかも新木場スタジオ・コーストで企業主催のイベントにて演奏という情報に接し、小出しにされるニュー・アルバムの情報や音源の断片だけで盛り上がっている自分を情けなく思ったのは、深い深い霧の朝のことだった。john/nick/rogeは翌朝には日本を発ったらしいが、simonはひとり残り緑色のジャージを着て僕の好きな街までやってきて観光を楽しみ、味噌ラーメンに舌鼓を打ち...、僕はその見事に肥えた身体を見て、新作の完成までにはまだしばらくかかりそうだとやっと我に返ることができたのだった。

そしてまたarcadia/1st/seven and the ragge tiger/notorious/big thingとデラックス・エディションのリリースが相次ぐ中、2010年7月にmark ronsonによってblame the machinesが公開される(http://www.youtube.com/watch?v=nsplzuVTY0Q)。自身のニュー・アルバムrecord collectionのリリースが控えているというのに、duran duranの新作を事あるごとにアピールしてくれるプロデューサーmark ronsonはここにいたり宣伝部長も兼務することになった。

さすがにmark ronsonにおんぶに抱っこでは申し訳ないと思ったのか、翌8月にはオフィシャル・サイトでrunway(のちのrunway rrunaway)という曲が公開される。そのほかscissor sistersのana matronicが参加した曲のタイトルがsafeだとか、アルバム・タイトルがking of nowhereだとかいう情報もちらほらと聞こえてくるようになり、気まぐれnickのスタジオ便りにおいてもleave a light onなる曲の存在が明らかにされた。

9月にはmark ronson & the business intlのrecord collectionがリリース。これをきっかけにmark ronsonの楽屋は80年代同窓会の様相となり、2012年にデビュー30周年記念再々結成を控えているculture clubもduran duranに続いて「ロンソン再生工場」の門を叩くこととなる。

そして同じく9月、いよいよ新作のタイトル“all you need is now(仮)”と、同名タイトル曲の存在、そしてそれがmark ronsonにとって「duran duranの最も好きな曲のひとつ」であるということが明らかになる。10月にはmark 'spike' stentが最終ミックスが完了、そこからmark ronsonによってbeing followedの音源が公開(http://www.youtube.com/watch?v=4DTVidI8ME8)されたのが翌11月。年内のアルバム・リリースをほのめかす発言もあった。

すでに11月、さすがにそれは難しいだろうと思った矢先、わずか1週間足らずで、duran duranのニュー・アルバムall you need is nowが12月21日にiTunes store限定先行配信(タイトル曲all you need is nowもシングルとして12月14日配信)されると正式発表。VH1“Behind The Music”(11月15日放送)のエンディングでall you need is nowの断片も解禁(http://www.youtube.com/watch?v=e4JF9Hqerdw)。

まさに急転直下という感じで、そのごとくにduran duran周辺も12月に入り慌しさに拍車がかかり、PVやアルバムの試聴もないまま、南アフリカ・ツアーが直前でキャンセル、ボーナス・トラックのレコーディングも依然として進行中、プロモーションにも奔走。そして極めつけは当初12月14日だったはずのシングルall you need is nowがこれまた直前での1週間前倒し配信...したまではよかったけれど、トラブルによってダウンロードできなくなるかと思えば、欧米と違い日本は有料配信だったりと、恒例の発売延期がない分だけその混乱振りもなかなかのものだった。さらに21日の午前0時に追加されたアルバムall you need is nowもやはりすぐにはダウンロードできず半日以上待たされることになり、それにも関わらず配信とはいえ結果的に発売延期を免れたことはduran duranの新作にしてはちょっと奇跡的な出来事でもあった。「限定」「先行」に、シングルall you need is nowの直前での前倒しリリース及び海外での無料配信も功を奏し、あっという間にUKやUSを含む各国のiTunesアルバム・チャートで1位を記録、日本でも総合チャートにおいて宇多田ヒカルやlady gagaと並んで10位以内に入り(僕の知る限りでは一時的に)2位まで上昇した。


2011年
2月リリース予定だったall you need is now完全盤の詳細は直前まで発表されず、配信では免れた延期もCDとなれば話は別といわんばかりにいつのまにか3月に延期、当初アルバム・タイトルとも目されていたking of nowhereはどうやらtoo bad you're so beautifulに取って代わられ...。やっと発表された各仕様についての詳細は国によって販売店によって微妙な差異があり、正式発表が遅れたのも頷ける過去最高のややこしさ。昨年からの慌しさを引きずるように、しかし直前での延期はまたしても免れ、この3月21日にall you need is now完全盤はリリースに到ったのである。
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2011年03月25日

all you need is now/duran duran

タイトル曲all you need is nowは、seven and the ragged tigerからnotoriousにかけて顕著になっていくエッジの効いたファンキーなグルーヴとordinary world的情趣とis there something i should know?のポップさが層を成し絡み合う、いわゆるduran duranらしさを絶妙の加減でブレンドした曲。同様にleave a light onはsimon節が冴え渡る美しいバラードであるし、before the rainは、the chauffeurがrose arcanaとwinter marches onを経由しbig thingの後半に到り熟成が完了したような耽美で荘厳でクラシカルな名曲。

scissor sistersのana matronicの参加も納得のchic風ディスコ・ファンクsafeは、notoriousに始まりstop deadやtaste of summerへと受け継がれていくどちらかといえば80年代後半以降のduran duranに欠かせない要素が色濃い一方で、girl panicはもろにrioやhold back the rainを思わせる。

the man who stole a leopardではtel avivとthe chauffeurがkelisの幻想的なボーカル・ワークとowen palletのスリリングなストリングスを介してdavid bowieのstayへとなだれ込み、逆にbeing followedではblondieのatomicがduran draunならではのグルーヴとメロディでダイナミックかつドラマティックに増強されれていくように、80年代初期のテイストも自らのディスコグラフィーに留まらない。

それぞれlate barとlast chance on the stairwayを彷彿とさせるblame the machines/runway runawayには、昨今の80'sリヴァイヴァルまでも消化してしまったような節さえある。other people's lives/too bad you're so beautifulにおけるあえてアナログでチープなシンセの配し方、当時のduran duranよりさらに80年代が強調されたサウンドには80'sリヴァイヴァルでもさらにニュー・ウェイヴ・リヴァイヴァルを想起させるテイストが強く、プロデュースを手がけたmark ronsonのアルバムrecord collectionに収録されていても違和感がないであろうレトロモダンな感触がある。

save a prayer/my antarcticaの流れを汲むmediterraneaに到っては、その実にキャッチーなメロディもさることながら、波音にマラカスにギロ、そして情熱的なギターといった意表をつくしかし楽曲に対しては忠実なアイディアが躊躇なく盛り込まれている点に、(beind followedのエンディングやgirl panic!のパーカッシヴなアレンジにおけるスパニッシュというかラテンな隠し味とともに)80年代らしい楽曲至上のなんでもありな手法さえ聴いて取れる。


1stおよびrioのバンド・サウンドにシンセもたっぷり鳴り、明らかに80年代それも特に初期への回帰を意図した作品である。ゆえに、新作のたびに新しい要素を取り入れ、時にred carpet massacreのようにファンさえ困惑させるduran duranを期待する向きには物足りなく感じられるかもしれない。しかし、80年代を代表するバンドでありながら実はduran duranがここまで露骨に80年代へ回帰するのははじめてのこと、いわば四半世紀ぶりの80'sサウンドという時点ですでに新しい試みであるといっても決して大袈裟ではない。

またシンセを多用しながらもあくまでも生のグルーヴやロック志向のギター・サウンドを中心に据えていたduran duranの80年代には、チープなシンセと足元のおぼつかない打ち込みに終始する巷の80年代サウンドに対する認識ではおよそ捉えきれない奥行きがあり、さらにそこに新作ごとに新しいスタイルを獲得していったこの30年の歴史が加わるのだから、そもそも懐かしいだけの80年代サウンドにはなりようはずもない。実際にこのアルバムで聴かれる、80年代に端を発する自らのディスコグラフィーに、blondieやdavid bowieといった同時代のほかのアーティスト、さらには昨今の80'sリヴァイヴァルに到るまで、80年代の要素を徹底的に取りこぼしなく引用し巧みにミックスする手法は多分に現代的であるし、同時にそれはロックとダンス・ミュージック周辺のあらゆる要素の融合を試みてきたduran duranの混合音楽の究極の発展型ということもできる。

そのうえで、30年のキャリアで培われた曲構成やアレンジ面におけるセンスおよびミュージシャンとしてのテクニックによって、rio期の奇跡的なソングライティングにはどうしても及ばない点を巧さと強靭なグルーヴで補うこともできるのだから、1st/rio/seven and the ragged tigerを彷彿とさせ、80年代回帰と見せかけながら、80年代よりもまず圧倒的にduran duranらしさが先行し、サウンドそのものからはヴィヴィッドなヴァイヴが放たれる、つまり80年代から解散することなくポップ・ミュージックの世界を生き抜いてきたバンドにしか作りえないアルバムになっている。


それでも、これほどまでにduran duranらしいサウンドならば、なにもmark ronsonの協力を仰がずとも作ることが出来たのではないかという疑問は残る。もちろん端々に80年代のテイストを瑞々しく現代に昇華させるmark ronsonの手腕が発揮されてはいるものの、例えばsimonとnickも参加した彼のアルバムrecord collectionのように大胆なアプローチもなければ、duran duranクラシックスの枠組みを逸脱するような曲もない。80年代のポップ・ミュージックを愛しつつソウルにR&BにHIP HOPにエレクトロニカに...と多彩な背景を持つmark ronsonプロデュースにしては肩透かしな感じもする。

ただmark ronsonの協力を仰がずとも可能だったスタイルに、なぜこの25年間彼等が手を出そうとしなかったのかと考えてみると、そこには過去を振り返ることなく現在に安住することなく常に新しい一手を模索し続けてきたという自負もあるだろうし、それゆえにduran duranといえばgilrs on filmでありhungry like the wolfでありthe reflexであるという風にすっかり80年代前半で固定してしまっている一般的なイメージへ、のこのこと帰っていくことをよしとしてこなかったであろう心境も容易に察しがつく。そこで音楽業界の白い目などものともせずduran duranファンを公言して憚らないmark ronsonが、自らが愛した80年代のduran duranの素晴らしさについてファンとしての愛と思い入れとともに語り、それが現在も十分に有効であることをプロデューサーとしての説得力をもって語ることで、彼等に80年代への回帰を促し思い切らせたのだとすれば、サウンド面で聴かれる貢献度以上にmark ronsonの果たした役割は大きかった、というか彼なくしてはこの路線はありえなかったのかもしれない。

そう考えればrecord collectionのように80年代サウンドと現代的なビートを大胆に組み合わせる手法も随分控えめに、notorious以降の路線との融合も面白かったはずのソウル/R&B/HIP HOPテイストも打ち出さずあえて自分の色を消し、新しいサウンドを追求し続けるduran duranの音楽性もひとまず封印し、それと並ぶ両輪のひとつである時代を超越した煌びやかなポップ・センスに焦点を置くという選択になったのも大いに頷ける。all you need is nowのオーケストラ・アレンジであるa diamond in the mind/return to nowを贅沢にもインタールードとして配したことで、さらにその意図も明確になっているように思う。


duran duranにとって、それは過去の蓄積のもとに成り立ちその先にはごく自然に未来が見えているという、後ろ向きでもなく過度に前のめりでもない混じりけのない現在と向き合う作業にほかならず、だからこそこうして新しくはないものの決して古臭くもない、現在を基点に30年のキャリアを縦横無尽に駆け回ったような痛快さも伴う、duran duranらしさが惜しみなく詰め込まれ凝縮されたポップでグルーヴィーなアルバムが生まれ、それをall you need is nowと呼ぶことにしたのだと思う。
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2011年03月24日

DURAN DURAN UNSTAGED

デヴィッド・リンチ監督演出によるduran duranのライブ中継“UNSTAGED”を観た。モノクロのライブ映像にデヴィッド・リンチらしいアーティスティックで耽美的でシュールで奇妙なイメージが重ねられ、そうかと思えば稀に素直に007的だったり、the man who stole a leopardではどう見ても笑わせにかかっているとしか思われないような人形の顔が漂い、careless memoriesだけに釘を打つ手を打ちはしないだろうかと思ったりもする...、独創的で刺激に満ちたいつにもまして濃密な、そしてチープな物語性を排除した現代版arenaともいうべき1時間50分のステージ。生中継映像にデヴィッド・リンチの演出が施されつつ、そのメインとなるdavid lynch's streamを含め3種類の映像を見ながらコメントを投稿したり、all you need is nowのライブ音源もダウンロードできたり...と、なんとも凄い時代になったものだと感心することしきり。当然商品化されるだろうし、そうしてもらわないと困るくらいに、文字通りステージで演じられるだけに留まらない一度や二度では味わいつくせないヴォリュームだった。


DURAN DURAN UNSTAGED
http://www.youtube.com/duranduranvevo

all you need is now
being followed
planet earth (gerard way)
friends of mine
notorious (beth ditto)
blame the machines
hungry like the wolf
safe
leave a light on
ordinary world
the man who stole a leopard (kelis)
girl panic!
careless memories
sunrise
rio

come undone (kelis)
bond medley
a view to a kill
girls on film


先日BBC Radio 2で放送されたライブ音源に続き随所にストリングスが加わり、my chemical romanceのgerard way、the gossipのbeth ditto(彼女の風貌といい歌詞を忘れてグダグダになるところといい、デヴィッド・リンチ作品の登場人物のようだった)が早々にゲストとして招かれ、kelisはthe man who stole a leopardだけでなくcome undoneにも再登場、mark ronsonもたびたびステージに上がった。

ニュー・アルバムall you need is nowからは7曲が演奏され、そのうちblame the machinesとthe man who stole a leopardはライブ初披露。blame the machinesはエッジの効いたギターが存在感を増し、the man who stole leopardはkelisを迎えて実現しただけでもうれしかった。そんな初披露の2曲を含めた新曲はいずれも、まるで古くからのレパートリーのようで、演奏もsimonのボーカルも新曲とは思えないほどにこなれて安定している。曲自体もバンド・サウンドを基調にしているためにライブで余計に映える。being followedとgirl panic!はすでにオリジナルより魅力を増しているようにさえ思う。

コーラスから乖離して気持ちよさそうに高みへと誘われる心地のする、nickの編み出したメロディの中でも屈指のシンセパートがストリングスで再現された最新版the reflexや大定番save a prayerが外されたのは意外だったけれど、その分新作にかける彼等の自信のほど想いの強さも伝わってきた。ツアー本番においても、初期からの選曲は最小限にとどめ、その代わりに新曲をできるだけ多く演奏すべきだと思った。それでこそ80年代に回帰しておきながらあえてall you need is nowを掲げた現在のduran duranのあり方を示すことになるはず...そう実感できるパフォーマンスだった。またしてもbefore the rainを聴けなかった点だけが唯一物足りなかった。


3月21日にall you need is nowがリリースされたUKでも、アルバム自体の魅力はもちろんのこと、先行配信からの3ヵ月も間延びすることなくむしろプロモーションとして奏功し、さらに(実際はそれだけでは捉えきれないのだけれど)原点回帰という分かりやすく興味を引きやすい文句も手伝って、来週のアルバム・チャートにおいて、astronaut以来実に7年ぶりとなるトップ10入りも期待できそうな気配。今日のunstagedも大きく貢献するものと思われる。

同じく3月21日リリースされたcredo/human leagueとthank you, happy birthday/cage the elephantの動向とともに、来週のチャートが待ち遠しい。

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2011年03月23日

これでall you need is now

a diamond in the mind/return to nowの2曲はつまりall you need is nowのストリングス・ヴァージョンをインタールード的に配したものなので純然たる新曲は(ボーナス・トラックを除いて)other people's lives/mediterranea/too bad you're so beautifulの3曲に留まる。曲数だけ見れば、昨年先行配信された9曲が通常盤で、今回は例えば来日にあわせてリリースされるようなシングルのカップリング曲を追加したデラックス・エディション的な印象も受けるがさにあらず。

owen palletが手がけたa diamond in the mind/return to nowは短いながらもアルバムに奥行きを与える美しくあまりに贅沢なインタールードであるし(before the rainも彼のアレンジで聴いてみたかった)、other people's lives/too bad you're so beautifulはblame the machines/runway runawayよりさらにまた最近のニュー・ウェイヴ・リヴァイヴァルのテイストが顕著であり、いずれもmark ronsonのrecor collectionに入っていても違和感のない仕上がり。

save a prayer/my antarcticaの流れを汲むmediterraneaはキャッチーなメロディもさることながら、タイトルからイメージされるままとはいえ波音にマラカスにギロ、そして情熱的なギターといったちょっと意表をつくアイディアが大胆に盛り込まれている点に、(being followedのエンディングやgirl panic!のパーカッシヴなアレンジとともに)80年代的手法も見て取れる。

クラシカルなインタールード、80年代と現代を結ぶニュー・ウェイヴ・リヴァイヴァル、楽曲至上で何でもありなスタンスによって、80年代でありながらしかし原点回帰ではなくあくまでも現在であり、それを裏付けているのが時代を超越したポップ・センスであるというところを、すでに十分にそんな風に感じられた先行配信9曲では飽き足らず、いま一度見事にダメ押ししているのがつまり今回新たに収録された5曲だといえる。ゆえにデラックス・エディションではなくこちらが本編、all you need is now完全盤ととらえるべきだろう。


early summer nerves/too close to the sun/networker nationのボーナス・トラックの中で特筆すべきはearly summer nerves。nickがスタジオ便りで引き合いに出していたようにgrace jones的であり、また後期sly and the family stone的でもある何というか密室的なファンク・グルーヴが癖になる、アルバムのトーンとは相容れないかもしれないけれどそれだけにかえってduran duranらしくもある、ボーナス・トラックにしておくのがもったいない曲だと思う。

duran duran early summer nerves
http://www.youtube.com/watch?v=2LHKb55_lTE

Duran Duran - All You Need Is Now (Live Tonight Show 3/22/11)
http://www.youtube.com/watch?v=nNP2PM7KCyU
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2011年03月22日

ALL YOU NEED IS NOW

duran duranのall you need is now完全盤がリリースされた。日本のiTunes storeでも14曲入りで改めて配信されている。それどころではないという気持ちもまだかなりある。このあたりではしばらくの間CDを手にすることも叶わないだろう。すでに昨年の先行配信によってそのうちの9曲は聴くことができたうえで、こうして無事に大好きなアーティストの新作の発売日を迎えられただけでも本当に有難いと大袈裟かもしれないけれどそう思える。


考えてみればduran duranに限らず大好きなアーティストの待望の新作を前にして今回ほど盛り上がれなかったこともない。自粛というつもりもなく、ごく自然にそういう気分にはなれなかった。リリース直前ということでBBC Radio 2やSXSWを初めとしてメディアへの露出も増え、その辺の情報もそれなりにフォローしてはいたものの悉く上の空。23日にはデヴィッド・リンチ監督演出によるライブ中継(UNSTAGED)が控えていて、同じくデヴィッド・リンチがアルバムからの2ndシングルgirl panic!のリミックスを手がけているなどという話には、本来なら飛びつかずにはいられないはずなのに、アルバムのリリースを経てUNSTAGEDが目前に迫ったところでやっとduran duranファンとしての正気を取り戻しつつあるといったところ。音楽を聴くくらいしか取柄もない僕にとってはまさに異常事態だった。


音楽好きであるというごく基本的な部分さえあっけなく揺さぶられ、聴きはじめてからも何度も聴いている曲でさえちょっと違って聴こえるような気がした。こういうことがあるとたかがポップ・ミュージックと思わざるを得ないし、実際に今回はそれを正面切って突きつけられた思いもする。それどころではなかった。しかしそれでもいち早く戻れる場所であったには違いなく、そこでたかがポップ・ミュージックに力をもらったのも事実であるし、さらにあらゆるものが揺れるしかない状況でも、依然として儚いながらもキラキラと輝きを発し続けている点においてはたかがというようなひ弱さは感じられなかった。何よりも単純にやっぱり音楽が必要だとしみじみ思った。



特に大切なアーティストとの間には、無論ファンの勝手な思い込みも含め、しかるべきタイミングで何がしかのメッセージが届けられるということが結構ある。新作を手にして何気なく歌詞を眺めながら聴いていたら、そこに今抱えている悩みを解決するヒントがあったり、全く同じことを考えていたなんて驚くようなシンクロは、きっと誰しもが経験しているはずである。

振り返れば何故と答えのない問いにとらわれ、先のことを考えれば不安は際限もない。確かなのは目の前にある現在しかないと言われても、なるほどとは思うけれどその現在にあるという感覚はあまりに至近距離すぎて、かえって認識するのが難しいものだった。しかしここ数日はもうその現在にしがみつくしかなかった。そしてそれは思っていた以上に、過ぎてしまったことや実は何も決まっていない未来よりもよほど確かな感触を有しているという実感もわきつつある。

当たり前で身も蓋もなく、開き直りとあっけらかんが一緒になったようだといってしまえばそれまでだけれど、だからこそ強力なall you need is nowというメッセージを、原点回帰なのにやけにヴィヴィッドでポップでアップリフティングなサウンドとともに、先行配信に続いていわば駄目押しされることになったのも決して偶然ではないという気がしている。
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2011年03月10日

すでに踊らされている

またしても1日気が早かったようで、各所の情報を頼りにall you need is now完全盤の詳細について整理してみた途端に正式な発表があり、それによると昨日の勝手なまとめには訂正しなければならない箇所もあり、油断していたつもりが結局はたった1日とはいえ先走って勘違いまでしてたりする。

先行配信の9曲に新曲5曲を含む14曲収録が基本で、インターナショナル/UK/USいずれの通常仕様もその14曲収録に留まり、ボーナス・トラック等は収録されない。デラックス仕様についてはややこしいので以下に箇条書き。

インターナショナル盤
[デラックス・エディション] networker nation/all you need is now (youth kills mix)を含む16曲収録(DVD無し)

UK盤
[デラックス・エディション] networker nation/all you need is now (youth kills mix)を含む16曲収録(DVD無し)
[HMV UK限定仕様] 16曲収録 all you need is nowの3種類のリミックスを収録したボーナスCDが付属する2枚組
[HMV UKダウンロード仕様] 16曲収録 ボーナス・トラックtoo close to the sunを収録
[amazon UKダウンロード仕様] 16曲収録 ボーナス・トラックearly summer nervesを収録

US盤
[デラックス・エディション] networker nationを含む15曲収録 アルバムのメイキングや楽曲解説等を収録したDVDが付属
[Best Buy限定仕様] networker nation/too close to the sun/eary summer nervesを含む17曲収録 DVD付
[Transworld限定仕様] 通常仕様にall you need is now (tom middleton cosmos remix)を加えた15曲収録


...というわけで最も注意すべきは、DVDが付属するのはUS盤デラックス・エディションとBest Buy限定仕様のみという点。インターナショナル盤とUK盤はデラックス・エディションといいながら、ボーナス・トラック2曲しか収録されていない。通常盤にボーナス・トラックの1曲も収録されていないのもめずらしい。それに加え、ダウンロード版ボーナス・トラックも異なり、取り扱い店によってボリュームに偏りもあり、果たしてこれで正しく理解できているのかも怪しいくらいに...、何か過去最高にややこしいことになっている。正式発表が遅れたのも納得のややこしさである。

とはいえあちこちに散りばめられたボーナス・トラックもそのうちひとまとめになり容易に入手できるだろうから、あまり仕様の違いに踊らされることなくとりあえずは日本のamazonとHMVでも入手可能でDVDも付属するUSデラックス盤を購入し、日本盤と日本でのダウンロードを待つのが賢明だと思う...と自分に言い聞かせた。


youtubeではother people's lives/too bad you're too beautiful、そしてnetworker nation/a diamond in the mind/return to now/too close to the sunまでも聴くことができるのだが、これらの音源(http://www.youtube.com/watch?v=5c3b8C-SIu8)(http://www.youtube.com/watch?v=3OP-caocZzg)によるとa diamond in the mindとreturn to nowはメイキング等でも公開されていたall you need is nowのストリングス・ヴァージョンが間奏曲的に用いられるということのようだ。

a diamond in the mindはそのままall you need is nowの一節なので何となく察しもついていたのだが、return to nowまでそうくるとは思っていなかった(確かに文字通りのタイトルではあるけれど...)。つまり14曲のうち純然たる新曲は3曲ということになり、それならばボーナス・トラックを散り散りにせずしっかりと収録してほしかったなとも思う。




scritti polittiのベスト盤absoluteを聴いて、brushed with oil, dusted with powderの導入部十数秒がカットされているのをおやっと思ったくらいで、あとはキラキラとしたポップさにソリッドな感覚に美しいメロディに、つくづくいいな凄いなと感じ入るばかりだけれど、ただ30年を振り返るベスト盤にしては、white bread black beerから収録されていないことを考慮しても、随分とあっけない。物足りないのとは違い、新曲2曲を含め18曲がいずれも素晴らしく、新曲2曲の余韻の中、ハッと我に返ると「あれもう終わり?」というあっけなさにとらわれる。リリースに際してもあまりに素っ気なかったが、せめて新曲をシングル・カットでもしてもう少しscritti polittiの寡作ながらも充実した作品群にふさわしい盛り上がりを添えてもよかったと思う。

scritti polittiの場合、簡単に新作を期待できず、ベスト盤も単なる通過点でしかないという解釈も成立しないだけに余計に素っ気なくあっけない。

posted by atons at 18:07| Comment(4) | TrackBack(0) | duran duran | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月09日

水さす仕様

all you need is now完全盤まであと2週間、いま一度気を引き締めて...と思ったら、オフィシャル・サイトで完全盤収録の新曲too bad you're beautifulが公開された。油断していたつもりが、わずか一日ながらかえって少し気が早かったらしい。

too bad you're beautiful
http://www.duranduran.com/wordpress/?p=17950

sound of thunder的ディスコ・グルーヴとseven & the ragged tigerあたりのアップリフティングなメロディ。当然のことながら先行配信9曲と同様に80年代初期のテイストであり、ニュー・ウェイヴなother people's livesとあわせて、80年代回帰も先の9曲では飽き足らず、何かもうこのall you need is nowというアルバムで80年代の要素を全部出し切るつもりでもあるかのように80年代を徹底している。

ここまで80年代で統一しているのに決して単調にならず、いずれも強力にポップなメロディと躍動感溢れるグルーヴが備わっているのもまたall you need is nowクオリティという感じがして、昨日までちょっと中弛み気味だった気持ちも再度盛り上がってくる。


ただボーナストラックを含めた収録曲目やDVDの詳細な内容についての正式な発表はやはりまだ。今のところ、HMVではUS盤・インターナショナル盤それぞれの通常盤とデラックス仕様、そして何故かUK盤は通常盤のみ。amazonではUS盤・UK盤それぞれの通常盤とデラックス仕様が予約受付中。14曲収録の通常盤に対して、アルバムのメイキング等を納めたDVD付きデラックス盤にはボーナス・トラックnetworker nationを含む15曲を収録。UKデラックス盤にはさらにall you need is now(youth kills mix)が加わり、そのほかにUKのHMVで独占販売される2CD仕様があり、それにはall you need is nowのリミックス3種が収録される。

微妙な違いであるし、その差異についてもきっとダウンロード版でそれなりに補いもつくだろうし、this lost weekend/early summer nerves/too close to the sunといった曲はおそらくダウンロード版のボーナス・トラックと思われるので...、つまりどれを選んでも同じようなものなのだが、それゆえにまた決め手に欠けて困りもする。正直ややこしくて面倒くさいとも思う。

amazonで予約開始時1300円という信じがたい価格設定だったUSデラックス盤はとりあえずのつもりで予約してあって、後で仕様が明らかになったら他のも買えばいいと思っていたのだけれど、このままだと結局最初に予約したUS盤とダウンロード版の合わせ技で落ち着きそう。



morrisseyはベスト盤リリースに続き、6月15日から始まるUKツアー日程を発表。遠く離れた日本のファンとしてはその後が気にかかる。very best of morrisseyとシングルglamorous glueもHMVで予約開始。

very best of morrissey
http://www.hmv.co.jp/product/detail/4016204
glamorous glue
http://www.hmv.co.jp/product/detail/4016247


posted by atons at 18:05| Comment(0) | TrackBack(0) | duran duran | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする